鉄製のフライパンってのはロマンだ。
- 鉄フライパンは男の子回路を刺激される。特に職人により鍛造で作られた取手一体型。実に漢らしい。そして何より肉を焼いたとき、火の通り・コゲの付き方でそこらのフライパンとは大差がつく。
- とはいえ、錆びたり禿げたりこびりついたりがあるので、丁寧なメンテ(油を塗るとかね)や火力を要したりと、「うれしさ」を得るための代償はそれなりに必要だ。
- 一方、アルミ基材+テフロン加工のフライパンは、軽くて焦げ付かない代わりに楽しくない。火の通りがヤワで、1-2年も使っていれば剥げてこびりつくようになり、取り換え時を迎える。化学屋の僕は常々、胃腸にフッ素化合物を入れることははあまり好ましくないと思っている。
- そこで鉄フライパンほどにうれしさはなくていいから、そこそこのメンテナンス性と焼き物の旨さを兼ね備えたものがないか、と考えると、結論はおのずと「ステンレス製」となる。
ステンレス製のフライパンについて
- ステンレス製という意味では、以前からスイス製のごついフライパン(Kuhn Rikon AG社製)を使っている*1。制式化から10年ほど経過するが、クオリティに満足している。ただ炒め物程度にこいつは大仰すぎる。
- で、このところベンチマークしてかなり高得点なのが、キャプテンスタッグの「3層鋼フライパン17cm」(No.M-8609)だ*2。底がそんなに分厚すぎず(=分厚いフライパンのような過度な火力を要求しない。0.8mmだとか)、上手い焼け具合を演出する。
- 恥ずかしながら僕は金属が専門外でピンと来ないのだが、層構造はステンレス鋼/ニッケル/軟鉄/ニッケル/ステンレス鋼で、軟鉄で熱伝導・耐蝕性を高めているらしい。
僕は肉を焼くシーンだけでなく、野菜炒めにおいてもパフォーマンスを期待しているのだが、このフライパンは重量・サイズがちょうどよくてハンドリングしやすく、焼き目も適度につく。油を適正に敷き余熱しておけば、焦げ付いて手が付けられなくなる様なことはない。
調理後のメンテナンスもしやすい。調理→水洗後は、そのまま乾かしておけば問題ない。もし焦げ付いたらフライパンに水を満たしておき、後で中性洗剤で落とせば簡単に落ちる。どうしようもなければ、多少傷はつくがスチールたわしでごしごしすればいいのだ。
実売1500円程度でハッピーになれている。
ウィンナーや野菜を炒める程度ならこいつで十分だ。そして旨い。おそらくは、ギョウザや生姜焼きでも十分なパフォーマンスを発揮することだろう。
キャプテンスタッグはパール金属のアウトドアブランドであり、本来アウトドアシーンで使うものなのだろう。焚火など火力が多少不安定でもそこそこに焼き物が作れるよう設計されているのかもしれない。*3
お安いキッチンウェアなので、焚火台の上で煤を下面にこびりつかせつつ、ガンガン使ってやるもよし。
*1:Swiss Multiply frying pan 24 cm | SLEEVE | silver - Stainless steel frying pansの、20cm径バージョン。今は型落ち。
*2:3層鋼フライパン17cm - アウトドア・キャンプ用品 - キャプテンスタッグ
*3:もっとも、おうちで分厚い肉を焼くときは、主力装備たるKuhn Rikonフライパン+PYREXガラス蓋で戦うんだけどね。