駄目社員はむの日記

USO800 certified.

○IC-731。小型機の、名機。

名機として挙げる方がいるが、なるほど受信性能についてはまずまず納得できる。80年代中盤のローエンド機では、YAESU FT-757, KENWOOD TS-440との戦いで明らかに受信性能で数歩リードしていた。
ただ”小型機の名機”といえいささか過大評価であり、実際の受信性能は上位のIC-740750には敵わないので、甘い言葉に惑わされない方がいいとは思う。

  • 感度が高く、小型機の割にローバンドでも混変調は起こしにくく*1、信号の分離感がかなりよく、ノイズから微弱信号が分かれやすいので、大型アンテナを繋いでちゃんと主要コンテストに出ることが可能。実際、80年代にDXペディションに持って行く定番サブ機だった。なおIF NOTCH/PBTを内蔵した数少ない小型機であるが、いずれも簡易型なので効きは期待しないほうが良い。
  • 音質は甲高めの80年代ICOMの音だが、IC-750シリーズなどよりも穏やかで聞き易く、信号は拾い上げやすい。
  • 操作感は現代的なHF機とあまり変わらないので、直感的には操作できる。ただしメインダイアルの安っぽさ・ボタンの押しにくさ・カンガルーポケットの使いでの悪さ*2など、他社機に比べると操作性に多少難があり、ベースステーションで頻繁にツマミをいじりVFOを動かすような運用形態では少々不便なリグだと思う。

CWフィルター・キーヤー入りで安く、使用目的に沿うならば、今でも買いかも。730は今更使いこなす気も起きないが、731なら使いたいかも。

*1:受信部の回路を見比べると”750のコストダウン機そのもの”であることに気付く。受信性能のよさは、さもありなんである。

*2:イージー・オペレーションの思想から、毎度触らないボリューム(スライドボリューム)はカンガルーポケットにしまうようになっていたのだが、実際はHF機の機能と言うのはいつでも触れるようになっていた方が便利なのでありました。スライドボリュームって、使いずらいですし。