名機として挙げる方がいるが、なるほど受信性能についてはまずまず納得できる。80年代中盤のローエンド機では、YAESU FT-757, KENWOOD TS-440との戦いで明らかに受信性能で数歩リードしていた。
ただ”小型機の名機”といえいささか過大評価であり、実際の受信性能は上位のIC-740、750には敵わないので、甘い言葉に惑わされない方がいいとは思う。
- 感度が高く、小型機の割にローバンドでも混変調は起こしにくく*1、信号の分離感がかなりよく、ノイズから微弱信号が分かれやすいので、大型アンテナを繋いでちゃんと主要コンテストに出ることが可能。実際、80年代にDXペディションに持って行く定番サブ機だった。なおIF NOTCH/PBTを内蔵した数少ない小型機であるが、いずれも簡易型なので効きは期待しないほうが良い。
- 音質は甲高めの80年代ICOMの音だが、IC-750シリーズなどよりも穏やかで聞き易く、信号は拾い上げやすい。
- 操作感は現代的なHF機とあまり変わらないので、直感的には操作できる。ただしメインダイアルの安っぽさ・ボタンの押しにくさ・カンガルーポケットの使いでの悪さ*2など、他社機に比べると操作性に多少難があり、ベースステーションで頻繁にツマミをいじりVFOを動かすような運用形態では少々不便なリグだと思う。
CWフィルター・キーヤー入りで安く、使用目的に沿うならば、今でも買いかも。730は今更使いこなす気も起きないが、731なら使いたいかも。