先週末はARRL DX CONTEST CWだった。
ARRL DX CW開催日の夕方〜真夜中の時間帯。7MHzがDXでこれほどにぎわうような機会は、年にそんなにはなかろう。ローバンドにおける受信性能のテストにまさに絶好である。
ということで土曜の晩、FT-891にて7MHzと3.5MHzのバンド下端20〜30kHzを行ったり来たりしていた(送信はしなかったが)。
繋いだアンテナは、7MHzは八木、3.5MHzは件の高く張ったInverted V。コンディションはまずまずだったと思う。
極限*1環境で、FT-891の受信性能を試す。
- 7MHzはまさに激混み。Wの特に西海岸から押し寄せる信号は、ずどーん!ずどーん!とS9+30dB位で居並んでいた。というより折り重ならんばかりだった。
- 一方3.5MHzは、さほど混んでいなかった。CQを連呼するJAビッグガンのシグナルは林立していたが、Wからの信号は総じて弱く(S0-5ぐらい)、拾い上げがテーマになった。
結論:受信において「アナログ or DSPの高級機ではビシッと聞こえて、891では全く聞こえない」という状況は、皆無だった。
決してエポックメイキングなマシンではないけれど、このサイズで従来機の受信性能とは一線を画したマシンであるのは確か。
ローエンド機が十分な性能を上げてしまう日が来てしまった。コスト構造も変わっちゃった。
高級機には、カタログスペックに現れないアデッドバリューとそれに伴う”うれしさ”が備わっているものだ*4。コストのしばりが厳しい安価・小型機ではそれらが省かれているのが普通なのは今も昔も変わるまい。
HF機のコアである変復調部分が「以降はソフトに任せる」になったことは、コスト構造を劇的に変えているのだろう。
SDRであるIC-7300の例を挙げるまでもなく、純アナログなパーツを減らせるため、低コストで従来以上のパフォーマンスを出せ、ローエンド機のありようも変えつつある。基本性能が底上げされた分、コストの縛りが厳しくない高級機ではフロントエンドのアナログ能動・受動素子にコストを掛けることができるはずだ。
#しかし”ここまでやる”ようになると、困っちゃうぞ。