駄目社員はむの日記

USO800 certified.

下ツ道からの、芋峠ふたたび (4)

旧道芋峠、本日危険。ここはリスクをとっている場合ではない。


芋峠の山中に分け入ろうとして、気づいた。
舗道(県道15号)でも寒くて風が幾分吹いているとは感じてはいたけれど、いざ山の尾根を歩きはじめると、10~20mクラスの突風が頻繁に吹き付けてくるのだ。

ごごーーーーという危険な風音ともに杉林が大袈裟に揺れている。そして体が凍えそうだ。体感温度は間違いなく零下。

先ほど明日香村を歩いてる途中粉雪が舞っていた。地面に目を落とすと、峠では普通に積雪しており、とける様子もない。

冒険が始まる ドキドキが始まる(前にオワタ)

冒険とは、リスク・代償・利益を勘案し計算高く実行するべきもの。
そして暴挙は、計算では不正解と理解してなお、人生の勝負所で繰り出すものだ。そのシチュエーションが訪れるまでは取っておくべきものでもある。

で、今すべきはそのどちらでもない。シッポ巻いて逃げるのが正解だ。


800mほど山中で歩みを進め、おそらく正しいルートを歩いていたはずだが、潔く回れ右。GPSを見ながら丁寧に引き返し、新道に戻ってきた。

携帯の電波など届かぬ山中にあっては、地図内蔵の単機能GPSに優る相棒などそうはいない。

ということで半年ぶり二度目の芋峠越えは、「ゆる舗道歩き」で終わってしまうのだった。


しゃーない。新道芋峠歩きへと企画をシフトチェンジだ。無念というほどではないが、多少残念。というかどうでもいいけど寒い。

古道と県道の分岐点(古道芋峠口)をみつけた。次は、古道でリベンジするとするさ。

林道っぽい道を抜けて降りてくると、千股川せせらぎ公園


いや、林道っぽいけど、実際は県道だったでござる(※奈良の道歩きあるある)。


緩やかなスロープを千股川に沿って下りてくると、アユが釣れることでも知られる清流・吉野川にぶち当たる。

1320吉野川&国道169号に至る。一定の目標達成。


まだ早い時間だが、これから宮滝→象の小川→吉野駅と回るのは足への負担が大きすぎるし、日没コールドリスクも高い。


吉野川にかかる桜橋を渡り、南詰側を西へ。

案内標識、作り直した方がいいと思いますよ。

吉野神宮駅まで歩き、ゴールってことにした。駅から吉野神宮まで、吉野山を昇り降りする気力はなかった。
歩いた距離の割に心身の疲労があることに気付いた。なにせクソ寒い中、6時半過ぎから歩き通しなのだ。

まとめ:芋峠は、あったかくなったらな?

  • 今回の行程、橿原市藤原京大和三山を見て、途中明日香村で風景と飛鳥の遺構を楽しんで、旧道で峠を越え、吉野川に至る・・・なんとも見どころてんこ盛り、贅沢なコースである。ルーティングに工夫すれば、更に遺跡や寺社を追加で絡めることもできよう。




    • 橿原市近辺(近鉄で言うと大和八木~橿原神宮~飛鳥の間あたり)は、いずれじっくり学びながら歩きたいと感じた。
  • 計画時点では「冬枯れの吉野がゴールって、味があっていいかも!」と思っていたのだが、ともかく当日は「真冬の荒行」すぎた。気温はほぼ零下だわ、ずっと曇ってて時々雪は降るわ、風は吹くわ。体力をかなり削られながら歩いた。不完全燃焼だけど、気象条件良くない中ではまあ善戦したかな。
  • 芋峠・小峠は、道標もう少しほしいのう・・・
  • なお、真冬なんかに僕と同じルートを歩く「大バカ野郎」には、道中ついぞ出会うことはなかったのでござった。


旧道芋峠、リベンジするつもりだけど、暖かい時期、晴れた日に実行するよ。たぶん今回とは逆ルート(北上)でね。

寒かったじょ。