駄目社員はむの日記

USO800 certified.

吉野〜明日香、大満足ツアー (2) 象の小川~宮滝

ささやきの小径(吉野)を歩く。

オンルートに戻れたので、見覚えある道を黙して歩こう。
ここまでの吉野ウォークは山を登りっぱなしだったけど、象の小川に沿ったアップダウンは実によい。




蛇行する小川の川辺に沿った山道を歩く。
常に風景と足元に変化があり、小気味良い緊張感と爽やかさを楽しめるのが、この「象の小川」周辺なのだ。

2つの滝を見て楽しむ。




高滝の滝つぼ巡り、今回はパス。滝つぼのあたりで初めてウォーカーとすれ違った。

象の小川に沿った山道を抜けたら、1045喜佐谷。

しばし民家の並ぶの小径を歩く。


なぜか御神体が杉の木という桜木神社に参拝し、吉野杉の薫る雪隠(原文ママ)を借りる。

2チェックポイント「宮滝」着。



吉野川屈指の名所にして、推定吉野宮な遺跡のある地域だ。
ここらを歩いたことがある人はご存じとは思うが、滝壺のある滝ではない。川の合流点だ。川の浸食が作り出す奇岩の風景、よいものである。

柴橋という橋を歩いて渡った人にだけ、なお素晴らしい風景を愉しむボーナスが与えられる。

続いて、宮滝から徒歩2分の「吉野歴史資料館」。

ご参考:吉野歴史資料館 | 吉野町公式ホームページ


吉野杉をあしらったウッディでかっちょいいファサードにでむかえられる、印象的な資料館だ。
アドミッションフィー200円。僕は初めて入る。実はここ数年はコロナで閉まってたり開館時間が短かったりで、いつもタイミングを逃していたのだ。
展示スペースは決して広くはないし、たいそうな秘宝・遺物が展示されているわけでもないのだが、歴史と地域に対する職員の熱の入り方が素晴らしい展示。もちろん宮滝・吉野宮を大フィーチャー。




元正天皇の吉野行幸から1300年。ううむ、これは地元民にしかアツくなれないアニバーサリーである。
吉野行幸といえば、この先の芋峠を藤原宮から行き来しまくった持統天皇が有名。持統のオバハン、一説には30回以上来たという。これはもう避暑地気分かよ状態である。

元正天皇っていうと「日本書紀完成時の女帝」って程度で僕の乏しい知識はいきなり終了するのだが、草壁皇子の娘にして文武天皇の姉と聞くとなんだか近しい・・・いや近しくないな。

元正っちってば、どうやら美少女っぽいですよ?(そうかな)



司馬遼太郎氏と吉野という切り口もなかなか良かった。

意外な学びもあった。


吉野・南朝をフィーチャーした漫画のコーナーがあり、

もちろん「咲 阿知賀編」は含まれる。
競技とはいえサイコ異能バトル麻雀がテーマである上、ばいんばいんなねーちゃん満載ほか、性癖フルカバーな美少女動物園状態という教育上よろしくない感じのマンガは、明らかに書棚の周囲から浮いている(賛辞)
まあ吉野に落ち延びたのか史実かかなりあやしい義経モノもどうかとおもうけどな。


帰りにアンケートの依頼があったので職員さんとしゃべったが、「吉野駅から高滝経由で宮滝来て、これから芋峠でも行こうかと」という話をしたら絶句された。

学びを胸に、宮滝遺跡を歩く。


空虚である。よく知られているように、古代の宮ってのは造営されても、遷都で一切合切根こそぎ持って移動するから、柱の跡とかそれぐらいしかないのだ。


宮滝周辺を後にし、吉野川に沿って169号線を黙々と西進。歩道があまり設けられていないので後方車に注意だ。河原付近には、アウトドアを楽しむ家族連れのテントがいくつも建つ。
(つづく)