駄目社員はむの日記

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春の(吉)野を行く (1) - 金峯山寺蔵王堂

はじめに:春の野をゆこう。

「夏のぽけっとに」というアルバムを知っているだろうか?
村松健氏の音楽活動最初期のとても素敵なアルバムだ。春~初夏の陽だまりを感じさせるあたたかな曲の数々。


その中でも「春の野を行く」という曲が特にお気に入りなのだ。

9分30秒頃~がそのトラック。
ETV8 「シリーズ・授業」のテーマソングと聞いてピンと来る人もいるかもしれない。
昨晩そんなのを聴いてたものだから、春を探しに行きたくなった。せっかくだから、桜シーズン1ヶ月前の静かそうな吉野へ。いや、一カ月と待たず、桜花を見に吉野には人々が大挙しているはずだ。*1
前回の吉野歩きは昨秋だったが、そこで見落としたものも補完したい。

8時過ぎ六田駅下車。

ハンパそうな駅になぜ?と思われるかもしれないが、この駅は吉野から熊野へ向かう行者の道「大峯奥駈道」の起終点なのである。「大峯七十五靡」の行を終えた方々がヨレヨレになってたどり着く駅なのだ。
今日は気分だけここスタートにしておいた。俺、この仕事が落ち着いたら奥駈道行くんだ!(フラグ)

吉野山に入る。

寒くて、どんよりで、いやな風が吹く。でもいい気分。

美吉野橋(みよしの-)で吉野川を渡る。なんかうまそうな名前だ(札幌民)。

吉野川沿いを少し歩き、吉野山の端っこから登り始める。


十二社神社なるところはどうやら吉野地域だけども複数あるらしい。ここの十二社神社は、静かで雰囲気があり、それでいて掃除の行き届いている。地元民に信仰されていることがわかる。

吉野脳天大神(よしののうてんおおかみ、通称:脳天神社)。

更に登ってくると、脳天神社に達する。今回初訪問だ。

ここは首の上の傷病にご利益があるというありがたい神社だ。思うところあり、お参り。
ご参考:脳天大神|吉野山観光協会


「脳天」といえば、僕ら世代はセガサターンである。32bit+32bitで 64ビット級ゲームマシンという不可解な理論を広めた。

登り。


境内の裏の鳥居をいくつもくぐりながら、100mほど標高を上がる(290m→390m)。なかなかの急坂。

めまいがしたら真っ逆さまの危険なルートだが、脳天大神のご加護があるからきっと大丈夫だ。

第1チェックポイント:金峯山寺蔵王堂(きんぷせんじ、ざおうどう)。



じつはその脳天神社、金峯山寺の真裏なのだ。ひとしきり登り終えると、本堂の端に出る。



というか寒い。雪降っとるで。

前回金峯山寺でお守りを頂いていったら早速多大なお世話になったので、今年も頂くことにする。


これからしばし、吉野山頂上付近を歩くことになる。高野山ほどではないにしても、神仏パラダイスな地域だ。
なお吉野は「紀伊山地の霊場と参詣道」ということで、熊野古道とセットで世界遺産に登録されている。ただし登録されれている=重要と認められたのは、修験道の大元である金峯山寺のほかは、吉水神社・吉野水分神社金峯神社の3寺社のみである。
ご参考:世界遺産|吉野山観光協会, Sacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range - UNESCO World Heritage Centre
(つづく)

*1:意図的にシーズンを外してます。