駄目社員はむの日記

USO800 certified.

ジッカでMDRFアンテナの実験。

まずMDRFアンテナとは

JJ1VKL原岡さんが提唱されたMDRFアンテナ。
以前からちょっと魅力的だよなと思っていたが、限られたジッカのアンテナ環境で使えるかどうか試してみることにした。
MDRFとは、Multi-band Dipole with Resonant Feederなのだそうです。

基本的なアンテナの構成。

無線機→コモンモードフィルタ→(手動)アンテナチューナー→フェライトバー多巻→並行フィーダー10m位(as 給電腺)→短いダイポールアンテナに直給電

という感じだ。
冷静に見ると、ダイポール部分が非常に短く、同軸部がないG5RVの変形と見なせなくもない。
実際の所、フィーダーにも電波が乗りまくるのでフィーダーは屋外にあるべきであり、屋外や窓際からの運用向けだろう。

製作。アレンジするでもなく、あるもので間に合わす。

実家の限られた兵站の下で、自作するときには「なんでもできるはずだわそこにあるもので♪」*1が耳の奥に流れる。
あるもんで何とかするのだ。

  • フェライトコアはFT140#43が都合よくあった。フェライトバーもなぜか都合よくあった。1.5D-QEFVもふしぎとあった。巻き巻きする。


  • アンテナチューナーはDAIWA CNW-219があった。カップラーとしてムリクリSWR落とすのは難しい代物だが、そこそこ使えよう。
  • 電波が乗る給電線は、できれば平行フィーダーを自作で・・・と言いたいところだが、そんな資材はジッカにはない。以前来道した際、id:takkeyさんにもらった『リボンフィーダー』(300Ω)がある!ちょうど10mで、MDRF用としちゃ都合がいい。*2


  • 給電点は、同軸を直接釣るんじゃなくて軽量な並行フィーダーなので、堅牢性今一つでもで問題ない。大きめの手荷物を持ち上げる時に使う、いわゆる「提げ手」に電線を結び付けて給電点にする。提げ手はセパレータとしていろいろ応用が利くのでオススメのアンテナ資材だ。

  • ダイポールエレメント部はひとまず2.5m-2.5mにする。給電点軽量なので、両端を釣竿にしても軽々と上がった。



なんか、「僕だけがいない街」に出てきそうな住宅に酷似した、平屋でボロボロの市営住宅が映ってますが、お気になさらず。雛月ぃー!
#いや、住民いて現存しています。建て替える予算もないので。

使ってみる。

で、こっからは「こんな短いアンテナで使えるのかどうか」という話である。
飛んだか飛ばないかを検証するには数時間ではどうにもならないが、コンディションはあまりよくないが、AGEさんもふくめて札幌の2局とつながった。
ああ、結構いけるのかも。

課題と改良の余地。

  • フェライトバーが50W送信でも結構過熱状態。1本では飽和で焼けそうなので、3本ぐらいに束ねてやった方がよさそう。まさに三本の矢である。
  • 圧着端子であちこち止めたいが、圧着工具ないしなぁ。結束バンドも設置の工夫に有用なので、いろいろ持ってきておこう。
  • ダイポール部は2.5mx2なんてケチなこと言わず、もっと長くしたら性能上がるだろうな。もっとも、ダイポール部分を長くして行ったら、やがてG5RV(全長31.1mの)に達するわけだけど。

次はホテルジッカチェックイン可能なのはおそらく年末。とはいえ、真冬にフィーダーを窓開けて出したら自殺行為なので、たぶん来春までアンテナ遊びはしないと思う。

半日使ってみた。

かんたん仮設アンテナ間のアンテナ性能比較なら、この5月に試した逆L型アンテナの方が良いようだ。
参考:inverted L antenna

教訓: Provenなアンテナがいちばんだ。

まあMDRFは、限られた敷地でのコンプロマイズのアンテナよね。


「どうせ休暇中のお遊びだし、7MHzのモノバンド運用できれば良いや!」となれば、同調型にするのが早道。マルチバンドを欲張りたいなら、そこそこに飛ぶことが知られるG5RVがいいだろう。限られた敷地でアンテナチューナー前提のアンテナでいくなら、G5RV Jr.(ハーフサイズ;ダイポール部15m)の方が飛びそうな気がする。
#幣日記に過去に書いたV型DP(Radix Inc. RDL-4015)は、相変わらずホテルジッカに置いてある。こいつの7MHzでの性能には何ら文句はないんだけどね。

*1:魔法少女プリティサミー「夢みれば夢も夢じゃない」 - Niconico Video

*2:アナログテレビ時代の遺物。今じゃ貴重なんだぜ、リボンフィーダー。