駄目社員はむの日記

USO800 certified.

備忘録:HFにおけるベランダアンテナ設置の極意。

#異論は認める。
ベランダに設置するHF用のアンテナは、ともかくベランダの前方へと電波を打ち出すことに尽きる。
作戦は①釣竿+接地ワイヤーアンテナ(ベランダに接地し、ベランダ前方の空間にランダムワイヤーを展開)、か②釣竿+非接地ワイヤーアンテナ(ダイポール系をベランダ前に展開)。
恵まれた広いベランダだと③非接地ビームアンテナが最強。僕が白耳義にいた時はそれ(2エレ八木をベランダに設置)が奏功していた。

①であれば、ベランダに接地をとったベントスローパー的な動作になるだろう。

釣竿で平行に突き出すか垂直につきたてるのが定番ですな。

  1. 接地はベランダはもちろん、ベランダからアクセス可能な金属という金属にありったけ取る。静電結合でベランダにリボン状の金属をまきつける・金属板を立てかける等も有効な場合がある。
  2. ラジアルは最低使用周波数の1/4波長以上の長さのものを2本以上ベランダ内に展開する
  3. メインで使用する周波数に同調したエレメントを張る。ランダムワイヤー+ATUはダメじゃないけど、主に使うアンテナはATUに頼らないフルサイズ動作とすると飛びが違う。λ/4から大幅に短いエレメント長でSWRが下がる(例:7MHz用なのになぜか4m長でSWRが下がる)場合は、接地が上手く行っていない。接地方法の改善を試みるか、だめなら非接地アンテナを目指すのがよい。
  4. 放射エレメントには、放射効率低下要因でしかないローディングコイルを可能な限り入れない。曲げる(ベントあるいはリニアローディング)ほうがずっといい。

ベランダに接地がまるで取れなければ②だが、その場合は基本線がダイポール系となる。

  1. 建物・ベランダから給電点〜電流分布の主要部分を、極力離す。給電点はベランダの外側、できればベランダから1m以上前方にする。*1
  2. ベランダから釣竿を用いて非接地アンテナを上手く展開する上では、同軸等で重たくなる給電点をどこに持ってくるかが結構重要。建物のそば(しなり難い釣竿の太い側)を給電点としつつ、建物の影響を避ける上では、オフセンターフェッドダイポール(OCF dipole)やエンドフェッドハーフウェーブ(EFHW; 電圧給電ダイポール)とするのは有効。50W以下なら1.5D2Vやテフロン製など軽量な同軸を使うのが給電点の”引き離し”に有用。
  3. ループアンテナは上手く行くと結構飛ぶが、波長に対して極度に全長が短いと性能が出ないばかりかSWRを落とせないこともままある。
  4. マグネチックループ・MicroVert・EHなど、非接地で面白いアンテナがいろいろ登場している。ただこのあたりで安心して50W〜100Wを通すためには、各パーツの耐圧(MLではバリコン)を十分ケアする必要あり。総じて周囲の影響も受けやすく、設置場所による変化が大きい。

*1:cf. ベランダに給電点を固定したようなV型ダイポールが売っているが、あれは笑えるぐらい飛ばない。電流腹が建物にくっついてて、電波を吸わせているようなもの