駄目社員はむの日記

USO800 certified.

モノバンドEFHW(End-Fed Half Wave)アンテナ2号機、そして作り方のおさらい。(3)

オマケで、アンテナの調整についても書いておく。

エレメント長を調整する。

EFHWの場合ザックリだが、7MHz付近では30cmカットすると100kHzディップ点が上がる(単純な算数)。なので21MHzは10cmで100kHz上がる。
豪快に切ると悲しいことが起こる。

  1. 圧着端子にエレメント用電線を圧着し、給電部の陸軍端子(Hot)につなぐ。
  2. まずラフな調整。ワイヤーを仮設置したら、アンテナアナライザやSWR計を見ながらエレメント端部をカットし、SWRが下がる長さを探る。自分の主に使う周波数より少し低めのあたりまで来たら、いったん止める。
  3. ワイヤーの引き回し方法を、仮設置ではなく本番用にした上で、少しずつカットし追い込む。*1

補遺。

空中線電力50W程度までであれば問題なく動作するはず。7~50MHzではこの給電点に半波長弱の電線を1本つなぐだけで、フルサイズの半波長ダイポール相当のアンテナとなる。
3.5MHz以下の周波数帯ではコンデンサの値を選ぶ必要があるかも。

QRP/QRO

  • 原理上、同軸にも多少電波が載ってしまう。
  • ベアフット(<200W)位までなら、UN-UNをFT240-43 x1で作り、多少同軸におもらしする程度でもご愛敬ではないだろうか。*2
  • QRP移動運用などで使うのなら、フェライトコアの径をワンサイズ落としてFT114-43で作り、給電部のケースも軽量化し、接栓をBNCにするのも良いだろう。*3

カウンターポイズの要否

  • 多くの場合、エレメントはHot 1本でも動作する。ただ経験的には、給電部のGNDから50cmほど、ぶたのしっぽカウンターポイズとしてワイヤーを垂らしてやると、動作はより安定になる場合がある*4
  • もしGND側にカウンターポイズを加えたい場合、それ用の陸軍端子を設ける。*5

受信用アンテナとして?

  • あまりそういう使い方してる人もいないようだが、インピーダンスをUN-UNで跳ね上げるタイプのEFHWは、「非接地型・単線」のお手軽受信アンテナとしてなかなかに優秀である。
  • 屋外までは同軸で引っ張っていって、給電部を介して適当な長さのワイヤーを張るだけで、いろんなバンドで受信アンテナとして動作する。BOG(Beverage on the Ground)の様に地面に這わせても良い。いわばEOG (EFHW on the Ground)だ。
  • 僕は短波用にしか使わないけど、透磁率の高いFT114-77あたりで巻き数増やせば、中波受信用によいのではなかろうか。
  • ちなみの僕の自宅ベランダには、受信用にEFHWが転がしてあったりする。(土の)地面上のようにはいかないが、けっこう受信できる。

*1:EFHWはハイインピーダンスを無理矢理落としているため、普通のダイポールよりも周辺環境の影響を受けやすい。SWR最低点の追い込みは、実設置環境にして行うほうがよいと思われ。

*2:このアンテナにkWを入れる方は、多分いないとは思うので

*3:秋月で売ってるBNCケーブルは、安くて結構使えるし。

*4:完全な電圧腹からチョイずらされ、給電インピーダンスが下がり、電波が同軸に載るのが減る方向

*5:ついでに、給電部をロープなどで吊りたい場合は、フック(eye)などを適宜取り付けてほしい。