ネットにイイカゲンなことを書く方がいるためか、760を『IC-750Aとアンテナチューナーと電源をでかい箱に入れてツマミをでかくしただけ』の安直なリグだと誤認している人が少なくないようであるが、大きな誤り。実は回路ごとに細かい改良が施されており、操作性・受信音・聴感的S/N・AGCのフィーリングなど、まるで別物となった言わば”IC-750Aのフルチューン機”である。
- 操作性は、ツマミ・スイッチ・表示などが大きくなったこともあって良好。フロントパネルで運用上の全ての操作が容易に行えるようになった。アッテネータのポジションが増えたり、IF SHIFTとIF PBTが切り替え式になったりと、実戦使用で気になる点が改善された。直感どおりに操作でき、申し分ない。
- CW運用を強く意識されたリグであり、実際評価は高かった。455kHz/500Hz, 9MHz/500Hzのデュアルフィルターが標準で内蔵。内蔵キーヤーの操作性も良好で、長短点メモリ搭載となった。AGCの掛かり具合が絶妙との評もあった。
- KENWOODの音を少々意識したのか、受信音のAFの特性も変更され、この辺りからICOMでもカリカリした音から少し穏かな音へと変わり始めた。
760を煮詰め、実戦機として一定の完成を見たのは、760PROである*1。
追記:聞いてみるとよく分かります。
以前の記述の、リグAがIC-750A、リグBがIC-760。
特にCWF無しで顕著だけど、ノイズと信号それぞれの聴こえ方が全然違う。AGCの掛かり具合も聴感的に明らかな違い。760はこなれた音、750Aは暴れる音。
- IC-750AのCWF入りの場合、音の暴れが結果的に聴感的な印象を強めますね。トーンに重みがあって、信号の波形が分かるような感覚。
- IC-760のデュアルフィルターのS/Nの高さはなかなか良く、音もスマートで円熟という感じです。
それぞれ良い。でも別物でしょ?
#750Aの音には750Aのよさがあると思うんですよ。
#立ち上がりの重ためなトーンを聞くと、思わずパドルを叩きたくなる(^^;