ICOMの1980年代HF高級機、三代(1983-1989)。
基本的な回路はほぼ同じ。しかし似たり寄ったりかというと、実際は順番にブラッシュアップしてあり、比べると明らかに進化している。
まあそれはそうと、フィルターの装備をまとめてみた。
リグ | モード | 9MHz帯(2nd IF) | 455kHz帯(3rd IF) |
---|---|---|---|
IC-750 | SSB | FL-30/FL-70(W)OP[切替可] | FL-44A/CFW455IT(W*1 )[切替可] |
CW | FL-32(W)OP/FL-63(N)OP[差換え] | FL-52A(W)OP/FL-53A(N)OP[差換え] | |
IC-750A | SSB | FL-80/FL-70(W)OP[差換え] | FL-44A/CFJ455K5(W)[切替可] |
CW | FL-32A(W)/FL-63A(N) OP[差換え] | FL-52A(W)OP/FL-53A(N)OP[差換え] | |
IC-760 | SSB | FL-80 | FL-44A/CFJ455K5(W)[切替可] |
CW | FL-32A(W)/FL-101(N)OP[切替可] | FL-52A(W)/FL-53A(N)OP[切替可] | |
cf. IC-731 | SSB | FL-30 | CFJ455K5 |
CW | FL-32(W)OP/FL-63(N)OP[差換え] | SSBと同じ |
#太字が標準装備のフィルターです。
#もし間違えてたらごめんよ。
上記の通り
後継機になるに従って標準装備のフィルタが増え、通過帯域の選びしろも増える。750Aに455kHzのCWフィルターを挿せば、フィルタ上は『無オプションの760』相当になる(=760はオプションを買わなくても十分なフィルターが実装されている)。
シリーズを通して素晴らしいのは、2nd/3rd IF共にクリスタルフィルターが標準で装備されているところ。455kHzでもわざわざコストのかかるクリスタルフィルターが入っているのが素敵だ*4。750A以降は通過帯域の広いセラフィルも装備され、音の好み・混み具合に応じて選択度を切り替えられるようになっている。
*1:ワイドにするとAM用が選択されるという、笑えない仕様です。
*2:つまり、現在見かける『初代IC-750の中古』は以降の2モデルのそれと違って、オプションで『CWフィルターが挿さってる』云々が明示されていない限り、CWフィルターが全く入っていない可能性が高いわけです。エレキーも750A以降搭載。初代は今使うにはちょっと残念なリグである。ご注意を。
*3:ICOM Filters Rev: C などをご参考にどうぞ。
*4:K社のリグだと、当時最高級機のTS-940でも455kHz IFの標準装備はセラフィルだった。