駄目社員はむの日記

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宗教都市・大阪を歩いて学ぶ (3)

オプショナルツァーに行くことにしよう。

天王寺界隈を抜けて、天王寺公園にでも行こうかと思ったが、市立美術館は現在改装中か。じゃあまあいいや。

南下し、天王寺駅宙域を離脱。阿倍野へ。この辺も僕来たことなかったのよね。

あべの筋とは、ほぼ旧熊野街道だった(シラナカタヨー)



無知とは恥ずかしいものだ。

なるほど、これは旧街道のにおいがする通りだ。


実はもうちょい南下すると、先週末に来た住吉大社界隈だ。
先週は住吉大社のそばで、住吉街道と熊野街道の四ツ辻に出会ったことを思い出す。もしこのまま南下を続ければ、そこにぶつかるのだろう。

熊野街道沿の神社を味わう。

まず安倍晴明神社。




コンパクトな境内だ。1000年ごろ創建との言い伝え。ううむ、阿倍野と安倍、どっちが先なのかな?

次いで、阿倍野王子神社


熊野街道に面しているのは当然だ。なにしろここは、熊野古道の重要な道標ともなった神社・熊野九十九王子(くじゅうくおうじ)の第二王子社「阿倍王子」らしいのだ。
ご参考:九十九王子 - Wikipedia


弊日記の古くからの読者はご記憶かもしれないが、以前僕はちょくちょく熊野歩きをしていた。おかげで「稲葉根王子」(紀伊田辺)~(本宮)~「多富気王子」(那智)のあたりはよく覚えている。

この辺りではかなり大きな神社かな。とても立派な拝殿。

阿倍野王子神社にお誂えと思しき、デジタルサイネージがいなせだ。

更に西進。

午後になり、真南から吹き込む風が強くなってきて、ツライ。
あたりは、徐々に高級住宅地っぽい地域になる。車や外装、庭など、ステータスシンボルで固めた家々は、肌に合わないことこの上ない。

本日の最終チェックポイント「阿部野神社」着。



住宅地にぎりぎりまで迫られつつも、かなり広い境内。

そして、美しい拝殿。

太平記」ワールドにようこそ。


この神社は、北畠親房北畠顕家にゆかりがあるらしい。てことは後醍醐天皇一の子分、「南朝方」の登場人物だ。



知識が乏しいなりに、軍記物に(中途半端に)思いをはせていたのだが、境内でいきなりアニメ絵にエンカウンター。2024年「逃げ上手の若君」アニメ化、だそうだよ?(よくわかってない)
ええと、鎌倉末期あたりが舞台で、北畠氏が登場すんのか?(ぜんぜんわかってない)


高校レベルな日本史の教科書的知識をほじくり返されているような気分だったが、いろいろ学びがあるぞ阿倍野

最後に、紀州街道を北上。


西成区にある「天満宮」というそのものズバリな神社を見つけて入ってみた。


通称「天神ノ森天満宮」、正式名称「天満宮」のようだ。
拝殿にカメラを向けようとしたところ、境内撮影禁止と注意されたので、素直に従う。


境内にある御由緒によると、ここには「菅原道真が休んでゆかれた」というエピソードが伝わr・・・ってそれさっきも見たぞ?*1
追記:後日Google先生に教えを乞うたところ、「菅原道真大宰府に左遷される道中、うちんとこで休んでいったんだぜ」的な伝承がある場所は、西日本各地に存在することを知る。
みっちゃん、休憩取得しすぎだよ。わからんでもないけど、どんだけ大宰府行きたくなかったの状態。これもまた一興。*2

さらに街道を北上・・・げ。



味わい深いアーケード商店街を抜けると、西成区天下茶屋である。
てことは・・・みんなだいすき、あ○りん地区じゃないか?



通りの両側には一泊いくらの謎ホテルが立ち並ぶ。
それ系なおっちゃん方がヨロヨロカクカクとした足取りで歩く様は・・・なんというか、GTA的なオンラインゲームで路上を彷徨うNPCのようだ。一方で、自由人としてもキャンパーとしても、格の違いを印象付ける御仁もいる。
わ、しまったぁー!!

あれ、僕の歩くスピード、こんなに速かったっけ?

疲れを微塵も感じさせない素早い足取りで、小汚い街道沿いをそそくさと抜けるのであった。
15時、新今宮駅でゴール!

まとめ:概ね宗教都市だったけど、宗教だけじゃなかった。

大阪市の南側は、宗教都市としか思えないほど寺社が密集した地域だった。

  • 谷九から生國魂神社、寺町、一心寺、四天王寺と寺社を見て回り、さらに天王寺七坂で上町台地を体感したり、阿倍野地域の主要な神社を見て回ったりと、なかなか盛りだくさんでした。
    • 歩くだけで古代から近現代までがまとめて押し寄せてくる、情報過多な地域だったよ。
    • 安倍だったり阿倍野だったり阿部野だったりと、地名の統一感のなさが楽し。*3
  • ラスト30分の紀州街道歩きだけは、緊迫したよ・・・
  • 大阪を歩いてたのに、王子社に熊野古道歩きへの旅情をすっかり掻き立てられてしまったな。そろそろまた行きたいぞ、KUMANO TREK
  • それにしても当日は寒かったー。準・冬装備で万全なつもりだったけど、良く晴れて、風は想定よりずっと冷たく、インナーが1枚足りない感じだった。



追記:なぜ大阪にはこんなに寺が多いのか | NIKKEIリスキリング
この記事、予習しておけばよかったよ。

*1:安居神社で休んでたのに、ここで更に休むんかい!みっちゃん、双六じゃないんだから、いくらなんでも「一回休み」連発すぎだろ。

*2:古代のビッグネームに生誕地・没地が複数あるのはお約束だが、道真の場合、道中の寄り道の多さに心惹かれる。

*3:わくわく:「阿倍野」と「阿部野」 大阪「あべの」の漢字表記はなぜ2つある? 古くから混在…「安倍野」と表記された例も|まいどなニュース