駄目社員はむの日記

USO800 certified.

竹内街道周辺を(過度に)味わい尽くす!(4)

(期せずしてだけど) せっかく古市に来たのだ。

名高い「古市古墳群」、ひとつぐらい見ておこうではないか?
そこはお上りさんとして遠慮せず、初回なので地域最大の古墳を見てみたい。

となると目指すは、名高い「応神天皇陵」一択だ。

その場でぐぐると「墳丘長425m」だという。幅400mを超える建造物*1などそうはない。*2
応神天皇陵に治定されているけど、誉田御廟山古墳がただしいのだそうだ。ふむふむ。
そして、ぐぐってる時点では、自分がその巨大さを徒歩で実感させられるなどとは微塵も思っていなかった。

竹内街道沿い、古市駅そばにある観光案内所で道を聞いた。

「コンダ八幡宮」とセットで行くとよいと伺う。コンダってどう書くの?

誉田八幡宮(こんだはちまんぐう)と書くのか・・・*3


玉砂利の先に優美な拝殿。


なによりそんじょそこらの八幡さんとはちがう。「最古の八幡宮」とも称される。実際はわからないけど、最古クラスの可能性は高い。
応神天皇のみささぎの目の前に建ち、もちろん応神天皇を祀っているものであり、広大な境内、そしてでたらめに巨大な木造の拝殿を擁する。




八幡さんの境内の背後こそが、巨大な天皇陵である。丘ではない、みささぎだ。人工物とにわかには信じがたい。
ご参考:[公式}誉田八幡宮。ウェブサイトの作り、懐かしい。*4

ここまで来たらやけだわさ。


で、境内から拝所へひょいっと行けるのかと思いきや、それは1km弱先だという。うわマジかい。



しぶしぶ陵の周囲を歩き拝所に向かうも、ニンゲンの視点からでは全く全体像を想像できない。丘陵の裾を歩いているようなものだ。

応神天皇陵の拝所着。とてつもなくデカい。


陵の周囲を、半周回ってどうにかたどり着く。
というか幅400m以上とかになるともはやスケールに現実感が乏しく、前方後円墳云々まったくわからない。完全に「丘陵」だ。「なんでここまでクソデカいもの作ったし」という素朴な疑問を禁じ得ない。

拝所だけでもでかい。キュビズムな絵を見ている気分になれる。


拝所から望むみささぎの風景。いや、遠近法を意図的に間違えて描いた絵のようだ。
既に歩き疲れてることもあり、形容する言葉が失われ、スケールにただただ呆れるしかない。参拝。


件の応神天皇というのは、正直縁もゆかりも感じないけれど、第15代天皇だそうだ。
ファンタジックでレジェンダリーな時代、「一部の方は居たと思いこみたい系」のお方であろう。とはいえ、「日本武尊の孫」にして「仁徳天皇の父ちゃん」らしい。
となると、急に親近感がわいてくるではないか。「タケルちゃん、お孫さんは元気?」みたいな気持ちになる。

拝所を出ると「藤井寺市」だった。

お参りして回れ右したら、羽曳野市から藤井寺市の境界をまたいでいた。

古市古墳群」とは、羽曳野市藤井寺市をまたいで存在感あふれる古墳が点在する古墳群なのだ。


さて、ここからそろそろ帰りたいのだが、どう帰ったものか。どの駅からも微妙に遠いのだ。
せっかくだから、面白そうな寄り道のできる駅へと向かおうと思ったら、地図に「美味そうな名前」を見つけてしまった。

「道明寺」だ。ここを最終目的地ということにした。

道明寺とは、道明寺+道明寺天満宮のことだった。

道明寺って桜餅ぐらいしかイメージがない(貧困な知識を露呈)「道明寺」と「道明寺天満宮」が存在することが、地理の知識としてギリギリ頭に入っている程度だった。




実際行ってみると、道明寺(お寺パート)の方は閑静で小ぢんまりとした境内だった。

道明寺天満宮の境内はスケールが圧倒的で人が多く、イベントも開催されて賑やかだった。

なにしろ「天満宮」である。菅原道真がからんでいる。太宰府天満宮北野天満宮などと同様、牛さん(御神牛)がマスコットだ。



寺を冠してても「天満宮」こそがメインなのだろう。



御由緒によると明治に神仏分離でムリヤリ「寺」と「天満宮」に分けられたらしいのだが、「道明寺」の名称が一般化していたせいか、「寺の名を冠した天満宮」のまま現在に至るようなのだ。
#寺の方が割を食ったのだろうな。


それにしても、「垂仁天皇の三十二年(西暦三)」がドン引きである。 「皇紀元年=西暦紀元前660年」とはいえ、無理矢理西暦にヘタに換算しちゃうと「とってもツライ」から、やめといた方がいいと思うよ。
ご参考:道明寺天満宮

1525道明寺駅着。ゴール。

桜餅売ってたら食いたかったけど、食えず。*5


そして道明寺駅で看板を見てようやく、自分の中でその名前で引っ掛かっていたのがなんなのかに気づいた。
道明寺といえば歌舞伎の演目「菅原伝授手習鑑」じゃないか。菅丞相すよ!天満宮を舞台に泣かせる名シーンがある。
然し、戻ってその辺を調べ直す気力は残っていなかった。また今度だな。

さいごに

  • 終日曇りだった。暑くなる直前で、心地よいウォーキングであった。
  • 久しぶりの街道歩きは、いきなり過剰な距離と情報量であった。
  • 今回初訪問の羽曳野市古市古墳群オソルベシ。
    • 相似形の前方後円墳が街中にスタンプを多数ポコポコ押されたかのように点在している。これは藤井寺市とあわせて、しっかり見て回らねばである。

竹内街道周辺、面白い。脇道にちょいちょい入っていけば、まだまだ見所があることだろう。
しかし今回だけでも情報量過剰であり、頭パンパンだ。

*1:チャウセスクの宮殿やペンタゴンより横幅デカいぞ

*2:なお仁徳天皇御陵(大仙陵古墳)はもう一回り大きい486m・・・

*3:千葉だと誉田と書いて「ほんだ」と読むよな。

*4:MIDI鳴りだしてもええんやで?

*5:参道の目立つとこで売れば、まちがいなく商売になると思うんだけどな。