駄目社員はむの日記

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はなももみぢもなかりけり(計画通り) - 吉野を歩き尽くす(2)

県道15号に出た。

ここから「吉野の奥座敷」、上千本、次いで奥千本へと向かう。


吉野上千本口から、舗道の坂を登り始める。

まずは上千本(かみ-)。

2チェックポイント、吉野水分神社(よしのみくまり-)に参拝。


上千本の中心といえばここ、吉野水分神社だ。おしごとで日々モイスチャーと戦っていたりする僕には気になる神社ではある。


鳥居、そして朱色の門をくぐると、建物に囲まれた比較的狭い境内。

水分神社は「みくまり」と読む(教養レベル)。配る・分けるの古語、くまるから来ているのだろうか。


参拝者は拝殿→本殿とコの字の順路を巡ることになる。
本殿は17世紀初頭に再建したものだという。古びてくすんだ雰囲気が醸し出す境内の静寂が美しい。おちつく。この光さすウッディな空間、半日いたいぐらい、好き。

そして奥千本へ。

水分神社に達する前から、ずっとコンクリの道を歩き続けている。
延々登り。足の負担を少し感じる。

まずは金峰神社(きんぷ-)。


金峰神社の大鳥居(修行門)、そして入口を見つける。



森の中にある美しい神社。

参拝したあとは、その奥へと山に分け入ることになる。

そして、本日の第3チェックポイント・西行庵へ。


吉野といえば桜。また吉野に桜といえば、和歌の達人、「桜の歌人」とも称される西行法師だ。
その(伝・)庵が残っているという。




西行庵へ向かう道は、軽く登山だった。いったん登った後、急激に下るコースだ。やー西行チャーン、もっとええとこ住もうや、なあカネあるんやろォ?




ちなみに西行石像のおわす庵は、雨漏り発生のためブルーシートならぬブラウンシートが被せられていた。「雨漏りしているいおり」の方がある意味リアルかもしれないが、それにしてもセツナイ。
#重要観光資源ポジションを確立できていれば、すぐ予算がつくんだろうけどなぁ。


金峰神社西行庵界隈は、ハイカーのほか、結構行楽客が来ていた。
夫婦者のほか、ガイドツアーが同時にふたグループ。アフターコロナ感がこんなところでも感じられた。

西行庵から尾根伝いに、滝を見に行く。


金峰神社へもどることなく、奥千本から更に足を延ばし、ここから蜻蛉の滝を目指す。

まずは吉野山(吉野山稜)の最高峰・青根ヶ峰(あおねがみね)。


峰を名乗る最高峰といっても860m足らず。周囲を木に覆われていて風景を愉しめる場所ではないが、山頂には登っておいた。

木製の椅子だけが置かれているのが、なぜだかちょっと怖い。座る勇気が起きなかった。
#何か持って行かれそう。

道なりに少し下った所で、大峯奥駈道との分岐点が来る。


奥駈道は、僕にとって・・・というか熊野古道ファンにとって憧れのルートだ。ヒマになったらきっと踏破するぜ。名残惜しいがさらば。



そして蜻蛉の滝への分岐点を発見。

第4チェックポイント・蜻蛉の滝へ。


青根ケ峰から蜻蛉の滝のルートは、基本的に下り坂なのでしんどくはない。
ただし、お世辞にも整備されているとは言い難かった。

というかちょっと危険。
道は一部崩れていたし、道を阻む倒木程度はちょいちょいあって、木の橋はどれも朽ちかけていた。特に雨の日は通りたくない道。

しょっちゅう植生が変わり、デフォルトは吉野杉だろうけど、竹林に入ったかと思うと、照葉樹の低木が群生している一帯に突然変わったりする。



やがて川(音無川)と道は合流。沢の音を愉しみながら歩く。


無事、なかなか悪路な山道を抜けた。

一瞬林道に出てまた山道。再びダウンヒル

1250蜻蛉の滝到着。




蜻蛉の滝の周辺はやたら整備され、村民の憩う公園になっていた。
自然な雰囲気が喪われててちょっと興が削がれるが、これは聞きしに勝る名瀑。来てよかった。
なおここは、お隣の川上村。



ここは滝壺のそばまで登ることができる。「蜻蛉はトンボかカゲロウか問題」に想いを馳せながら登り下り。
(つづく)