本日のメインエベント。
さらに組立。正直なところ、製作が超容易なこのQDXにあって唯一の山場が、コア巻きである。
- 43材のメガネコア(BN43-202)が1個。
- D級アンプの出力側だ。電源電圧を9V/12Vどちらに設定したいかに従い、二次側の巻数が変わるので注意だ。僕は12V動作にしたかったので、二次側を2Tとしておいた。
- トロイダルコアは、フェライトコア2個、鉄カルボニルコアが7個(内6個がLPF用)である。
- 受信用BPFを構成するL12 (T50-2に巻いている途中からタップを引き出す)、QSDに信号を注ぐT2 (FT37-43トリファイラ巻き)は、一番面倒だが、受信部のコアそのものなので、丁寧に巻こう。
- なお、キットに入っているエナメル線は、日本で売られているPEW線(ポリエステル被覆銅線)よりも熱に強く、はんだごてを当ててもなかなか被覆が溶けてくれない。先にカッターナイフでガリガリ削っておきハンダを乗せやすくするのが安全だ。
パターンにテスターを当ててコアの配線通りの導通を確かめ、問題なければ、最早勝ったも同然である。
逸る心をクールダウン。
ここで一休み。
- 基板の表裏でおかしな実装がないか、いつの間にかハンダブリッジとかになってないかを確かめる。ついでに、基板上のハンダを温めなおしておく。
- 最後にコネクタをハンダ付け。
動作確認。
ひとまずこいつで運用はしないけどね。
- QDXに、12VのACアダプタ・USBケーブル、それとなにより「50Ωのダミーロード」を接続しておく。*1
- WSJT-Xを入れてあるPCとQDXを接続し、オーディオ・CATを設定する。
- 各所で記載があるので詳細はここに書かないけれど、①CATは無線機をTS-440、ボーレートを9600bpsにしておくこと、②WSJT-Xは、出力レベルを最大に設定しておくこと、に注意すれば、まずは動くはずだ。
送受信テスト。
- まずは受信部。WSJT-Xを設定し、QDXのBNCコネクタにアンテナをつなぐ。すると、FT8で7041kHz/7074kHzでうじゃーと入感する信号が表示される。調整箇所が皆無のSDRなので、これで終いであるが、受信はどうやらOKそうだ。
- 続いて、肝心の送信部。試しにダミーロードに向かって初送信テスト。電波が出るか、燃えるか・・・いわゆる「スモークテスト」ってやつだ。挿せ、そして祈れ!!
パラリラパラリラ(小音響)
校正されているパワー計で測っているわけでもないし、個体差もあるのかもしれないが、40mが4W、80/30/20mは5W程度の出力だった(@12.0V DC)。取説4ページによると、13.8V掛け出力上げても大丈夫そうだ。*2
送信中、QDXの筐体が変に熱くなる様子もない。素晴らしい。スイッチングアンプ万歳!である。
ダミーロードの漏れ電波を他リグで拾わせると、ばっちりデコードしてくれた。受信音からしてきれいな信号そうだ。あとで、簡易スペアナで信号を見てみよう。
ファーストインプレッション。
テストしてみて気づいた。
QDXは、たばこケース大の筐体で、必要十分なQRPデジタルトランシーバーである。
- IC-705やFT-817といったQRP SSBトランシーバーで(家やお外から)FT8する意義を、根本的に喪失させるハードウェアだ。左記の様な無線機のSSBモードで、リニアアンプのファイナル素子を酷使し、苦しげに動作させる意味がない。
- QDXの消費電流は小さく、発熱も恐ろしく小さい。もし更にQRPで運用したいのならば、外付でアッテネータを組めばいいのだ。
- QDXの後段に50~100Wのスイッチングモードのアンプを追加すれば、100W機でFT8を行う理由さえも喪失させてしまうかもしれない。
(つづく)