午後。940を少々いじる。
一度気になり始めるといろいろ気になるものだ。
リキャップ。
940は優に30年が経過し、電解コンデンサが干上がって容量が落ちていることが普通だ。実害ないものはまだいいが、落ちると特性に直接影響するものは観直してみるべきである。
リグのメンテする人々の間では、電解コンデンサの(総)取り替えはリキャップ(recap)と呼ばれる。
今日はAGCの時定数を観直す。
というか、時定数にからむ電解コンデンサの交換である。
IF基板のAGC(オートゲインコントロール)まわりは、3年近く前にSメータが振りきれた際、ハンダを盛り直し修理しているが、幸い同様の症状はその後発生していない。
とはいえ、940の音やフィーリングをリアルタイムで体験していた僕からすると、今僕の使っている940は”なんか違う”と感じるのだ。昔DXコンテストでつかっていた時と聴こえ方が違う。
AGCのフィーリングを決めているのは、IF基板のQ19, 21, 22周囲の抵抗とコンデンサであるが、その後者が重要。
0.1uFと1uFの有極性電解コンデンサを今回持ち込んだ。そこだけ替えればいいのだが、周囲にも同じ値の電解コンがあるのでまとめて交換(0.1uFx3, 1uFx2)。0.1uFの極性電解は意外と在庫がないが、千石電商では手に入る。
交換しちゃいます。
再アセンブルと感想。
AGCのフィーリングが、完全ではないが元に戻ったかな。FAST/SLOW共、一様に時定数が変わったようで、AGCの動作が遅くなった。
- FASTは過度に速すぎず良い。昔コンテストに使ってた時は、AGCをFASTにしてSSBを聞いていたものだ。当時のQRM烈しい7MHzのスプリットQSOではFASTでちょうどよかったことを思い出した。
- 一方SLOWは遅すぎるかも。ゆったりしたAGCの反応はラグチューにはちょうどいいが、弱い信号の拾い上げに不向きかもしれない。
結論:AGCの時定数にからむ電解コンは取り替えてみた方がいい。電解の経時劣化によってフィーリングがオリジナルとは別物になっていることは十分考えられる。