”スローパー・アンテナ”、略称”スローパー”。
広義には斜めに張ったアンテナは何でも”スローパー”となるわけだが、ここでは、アースにつながる構造物にグラウンドを落とし、1/4波長のワイヤーエレメントを斜めに張ったスローパーアンテナを”スローパー”と称する。*1
スローパーは、ダイポールや八木などを展開すると巨大になってしまうようなローバンド(1.9/3.5/3.8MHz帯)で主に用いられているようだ。
実際、良好なアースが取れていさえすれば、ダイポールを張るよりもはるかに容易・コンパクトに設置できるうえに『国内もDXもそれなりに聞こえ、案外飛ぶ』のが魅力だ。設置環境にもよるが、多くのケースで”指向性がないものの”フルサイズのダイポールよりチョイ下”位の実力と見ていいのではないだろうか。
スローパーの魅力とは?
スローパーが実用上、送受信用アンテナとして提供する最大のメリットは、輻射効率上”電流分布の腹部分が、まるっとそのまま空中(高い地上高)に浮いている”ことと思われる。
輻射パターンは垂直偏波・無指向性(不完全なバーチカルアンテナ的動作)となるケースが多いようだ。垂直偏波なので、受信アンテナとしてはノイズを拾いやすい。
また地面との位置関係上そんなに低打ち上げ角にはなりえないので、(この辺は諸説あるけど)”DXに飛ぶアンテナ”かというとそうでもない。*2