駄目社員はむの日記

USO800 certified.

JRC JST-135をFT8用に鍛え直す(4) PTTを押させてみる

送受信の切り替え、どうしよう。


JST-135のACCESSORY端子を用いた音声信号の入出力は、チャチャッと空中配線状態でも、送受信に問題ないようだ。
しかし「送受信の切り替え」に課題あり。毎度無線機のPTTを指で押すのも間抜けだ。とはいえ、せっかくACCESSORY端子が活かせそうなのに、VOXを動作させるがために、フロントパネルからMIC入力するのもなんだかスマートじゃないな。*1

アプローチ:VOXをあきらめて、多少不本意ながら外部からPTTを入力させる。

WSJT-Xは、ソフトからシリアル経由でPTT押しを制御可能だ。
なので、パソコンに秋月の1000円USBシリアルケーブルを挿し、シリアルからPTTを押させることにした。

JST-135側 シリアル(D-SUB 9pin) コメント
Pin 1 (-BK) Pin 7 (RTS) べつにPin 4 (DTR)でもいい
Pin 15他 (GND) Pin 5 (SG) SG=Signal Ground



パソコン側でRTSをHIGHにしたときに、Pin 1をGNDに落とす。

シリアルからフォトカプラPC817の入力(1-2pin間)にLEDをかますという定番な小技を駆使。
ソフト側も、PTTはRTSをシリアルで押すよう設定する。

無事動いたので、しばらくテスト。

  • シリアルで押すPTTは、狙い通り動作した。VOXで動かすよりもつなぐ制御線は増えてスマートさは後退するけれど、頭切れの心配ないオペレーションができるので快適かつ安心だ。
  • JST-135で20-30W出力(ALCほぼふらないぐらい)で送受信動作させつつ、パーツをつけたり外したりして遊んでみたが、元々かましたデカップリングコンデンサだけでも回り込み等、おかしな変調になっている様子はない(気休めで音声ラインにフェライトビーズ位はかましています)。
    • 音声トランスによるアイソレーションも要らなかったようだ。これは筐体内丁寧につくりこまれているJST-135のお陰かもな。
    • JST-135側の動作も良好。連続送信中クーリングファンが回るが、十分強制空冷できてるらしく、送受信を繰り返しても全く問題ないようだ。
  • とりあえずインターフェース(ってほどのもんじゃない)基板を、100円ショップ的なケースに入れておいた。

  • PC側からは音声ラインとUSBシリアルの2本がつながっているのが少しスマートじゃなくて惜しい。とはいえJST-135側からみるとACCESSORYのみの入出力だ。
    • FT8に使用時に、フロントパネル側のマイク・コンプレッサ・AFボリューム設定の影響を受けない。ACCESSORYコネクタを抜けば通常のSSB/CW運用に戻ることができるし、SSB/CWでも気兼ねなくツマミをいじれる。


そしてもちろん、FT8のロギングは「煩わしさ皆無」だ。

QSOデータはWSJT-XからUDPを通じてLogger32に都度送り込めるので、JST-135とWSJT-Xの周波数表示を合わせておきさえすれば、必要な情報はすべてLogger32に書き込まれる。*2



問題なくQSOできるようになったので、一旦終了。

さいごに。

  • JST-135は、ベアフットでFT8を運用する上で十分すぎる性能(と拡張性)を持っていたことを確認できた。他のデジタルモードも、すこし工夫すれば問題なく使えるはずだ。
  • もしお手元に使い所のないJST-135をお持ちなら、デジタルモード用として簡単かつ華麗に復活できるかも。二束三文で売り払う前にどうかお試しあれ。

*1:なにせLINE IN入力では、VOXがスルーされているのだから仕方ない。

*2:Logger32に編集不要なログが書き込まれれば、以降はLoTWなりeQSLなり、ネットにアップロードするなども容易。