駄目社員はむの日記

USO800 certified.

JRC JST-135をFT8用に鍛え直す(1) まず考える。

JST-135をFT8(などのデジタルモード)に使えるか考えてみる


1980年代末頃に発売された日本無線(JRC)のHF機JST-135。
弊日記に度々登場し、長年使ってきた愛機を、なんとかFT8などでつかってみようとかいう試みである。

今更感漂うJST-135の良さを、どう活かせば良いか?

JST-135は、SSB/CWでは、なかなかの地力をもついい無線機なのだが、今使おうとすると不便な点もある。なるべくこいつの良さを活かす方向でデジタルモードに戦力化したい。

項目 135の現代におけるメリット/デメリット それを踏まえた活かし方
周波数安定度 最近流行のデジタルモードFT8は、無線機に高い周波数安定性を要求する。135にそれを満たせないかも。 135は初期のDDSを搭載している上、基準発振にも恒温槽付の水晶を取り付け可能だった。なので安定度はそんなに悪くないはずだ。意外に実用上問題ないのではないだろうか?検証したい。
音声入出力 135をデジタルモードに使う場合、アナログのオーディオ入出力を使うことになる。 昨今の無線機はUSBオーディオを内蔵しているので、USBケーブル一本でサクッと繋がりデジタルモードが送受信可能になる。一方135には「ACCESSORYコネクタ」という、オーディオ入出力+スタンバイがまとまった端子がある。(発売当時なりに)デジタルモードを想定したなのだ。ACCESSORYから入出力すれば、フロントパネルのボリュームを全部スルーでき、通常の音声通信中にいじって設定が変わることはない。これはぜひ活かしたい。
送信部の設計 「余裕の塊」のような送信部の作りの135には、期待が持てる。 デジタルモードはしばしば連続キャリアを出すことになる。「民生用無線機」であるアマチュア無線機というのは、プロ用と違ってコストもさることながら、電気設計・熱設計にも余裕がない。定格で100Wギリギリ絞り出せるような100W機では、定格通り100Wを連続送信してしまうと耐えきれずぶっ壊れかねない。その点では、135はヘビーデューティを売りにしており、国内向けは100W機、国外では150W機として売られていた。その点には期待したい。*1
ロギングソフト対応 135は(昨今の無線機のように)パソコンとつないだCATロギング*2に対応困難で、不便な存在になりつつある。 こいつをデジタルモードで使うぶんには、むしろその問題はクリアされる。FT4/FT8などは、周波数が原則固定だ。「ロギングソフトLogger32+通信ソフトWSJT-X」の組み合わせでは、WSJT-Xで行ったQSO情報をLogger32に転送してくれる*3。なのでロギングソフトが135から直接周波数などを読み出せなくとも、自動で適切な数値がロギングされるので問題ない。

ということで「JST-135って、適切に設定すればFT8に結構快適に使えるんじゃないの」との作業仮説の下、検討を開始した。

*1:実際、JST-135を80年代末〜90年代前半、HFパケット通信のノード局用に(無線機が長期間壊れることなく)使っていた方を知っている。音声入出力の使いやすさと、ヘビーデューティのお陰なのだろう。

*2:周波数やモードの制御・読み出し

*3:Turbo HAMLOGなんぞは、どうなってるか知らん