駄目社員はむの日記

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柿は食いたし、長谷寺は観たし - 山の辺の道からの初瀬路 (1)

はじめに。

  • 柿が食べたい。いや唐突で申し訳ない。僕がもっとも愛する果物は柿をおいてほかにはない。なにしろ、白耳義駐在時代はイスラエル産の柿のパチモン(欧州での通称はSharon Fruit)を箱買いして食ってたぐらいに、好きなのだ。
    • そして今まさに、奈良や和歌山では柿の出荷が最盛期である。毎年この時期に山の辺の道を歩くと、無人販売所でスペックアウト柿を格安で買えて超ハッピーになれる。これだ!
  • 柿脳に完全に乗っ取られる寸前、桜井周辺で未踏破だった街道歩きルートが「初瀬路(はせじ)」だったことを思い出した。
    • 数カ月前、NHK R2の「古典講読」蜻蛉日記が扱われており、初瀬詣でのエピソードが2回にわたり放送された。それ以降、初瀬詣でがずっと気になっていたのだ。
    • しかし初瀬路は桜井駅スタートで長谷寺まで7-8km。この半端に短い距離がモチベーションを下げていたのだ。いや、ならば初瀬詣でと食欲を一括処理すればよいのではないだろうか!

そこで今回は、山の辺の道(天理駅石上神宮大神神社→初瀬川)、からの、初瀬路(初瀬川に沿って長谷寺へ)を歩いてみることにした。

JR天理駅下車。

晴れているがチョイと寒い。トレーナーは薄着だったかもな。
一年に複数回は歩きたくなる素敵ウォーキングコースが、山の辺の道である。

開店前のアーケード(天理本通り)を抜け、天理の宗教施設の付近を歩く。


クリスチャン系無宗教な僕の視点では、宗教とは心の安寧を商材とした、ソサエティでありエコノミーとの認識である。

まずは石上神宮着。そして南下。



拝殿はまだ工事中。あと8時頃に行くと、石上神宮のシンボル的な鶏が境内に放たれてエサを撒くタイミングなので、早朝から参拝する人々の目を楽しませる。


というわけで、石上神宮は山の辺の道ウォーカーの多くにとって終着点だが、まずは本日、ここを出発点として天理市から桜井市へと南下していく。
山の辺の道は高尾山のような存在だ。誰でも気楽に歩けるコースだけど、色々なルートがあり、「蟻の熊野詣で」状態から逸脱することは可能だ。

何度となく歩いた道だが、逆ルートでは視界が違って新鮮だ。



逆ルート愉しい。

「山のべ」はあまり感じられない。

北・山の辺の道を北上する際は、常に右上がりのスロープを歩いていて「山のべ」を実感できた。

このへんではかなり開発された結果なのかどうか、わかりやすく「山の辺」な場所は少ないという。実際、今日のメインルートを南下しても、左和がりのスロープとなっている箇所は限られる。
歩道に農道、そして少しだけ山道と石畳。ハードな山道がなく、多くの道標で迷う心配もなく、心地よいウォーキングができる。



そして街道沿い、そこらじゅう柿の木だらけ、そして収穫期を迎えて千成。取って食いはしないけど、ワクワクが止まらない。

そこやかしこの道端で、秋の味が安く売られている。



石上神宮檜原神社の間の里山地域には無人販売所が多く設けられる。ここは秋の里山歩きと柿探しをまとめて愉しもう。


柿がピークアウトし、早生みかんと柑橘系もならぶ。
どこで買うかは一種のゲームだ。安くいいものを買う遊び。運と知識で遊ぶ(寺社の近所は高めなど)。通り過ぎた販売所の方がおいしかったとしても、戻る気力がある人は少ないので、一期一会。
柿と柚子、あと甘藷をげと。イモは水で濡らしてからトースターで焼けばうまいそうな。
今日のミッションの半分コンプリート。リュック重い(アホ)

御陵歩き。

北から南へ崇神天皇陵、次いで景行天皇量陵と御陵を通り過ぎる。


豊穣の秋と御陵。このシーズンは映える。


そうこうしているうちに、大神神社系列の神域が近づいてくる。
(つづく)