駄目社員はむの日記

USO800 certified.

柿は食いたし、長谷寺は観たし - 山の辺の道からの初瀬路 (4)

長谷寺」を主張する看板や道標が増えてきた。


本日の最終目的地に近づいてきたようだ。

  • この地域はそのものズバリ「初瀬」。もちろんハセと読む。ハツセという読み方はハセの古称でもあるから誤答ではないけれど、現代文に登場する初瀬をいきなりハツセと読むのは、いまいち教養がない気もする。
  • 姓には多く用いられる長谷・初瀬だけど、名前(ハツセと読ませる)に男女とも使われるようになってきているらしい。唐突に名付けられた「初瀬」って意味不明すぎて、親の無教養丸出しである。お前なにもんやねんと。

長谷寺宙域、ワープアウト。日本屈指の古刹。

名にし負う長谷寺。当然門前町もでかい。

そうめん・草餅・吉野葛ばっかだけどな。

門前町の通りを抜け坂を少し登ると、そこはスーパー山寺・長谷寺であった。



真言宗豊山派(-ぶざんは)の総本山にして、言わずと知れた西国三十三所の第八番札所。山丸ごと開発しました的な圧倒的スケール。桁違いの敷地の広さ。
豊山とは長谷寺が位置する山であり、東京の護国寺が関東における大本山らしい。

500円を支払い参拝。



話に聞く長い登楼(渡廊下の石段;のぼりろう)を登ると、国宝である「本堂」だった。
ご参考:石段が映える寺社10選 日本屈指のパワースポットも|NIKKEI STYLE

本堂周辺はそんなに混んでいなかった。

実際、京都の社寺と違って、「長谷寺こそが目的地」という人しか訪れていないのだからだろうか。



現在の巨大な本堂は、江戸初期(17c)に建てられている。


本堂から見下ろす山々の景色も素敵だ。紅葉シーズンに来るもよし。



本堂のそばでは、超ボロいビジネスである御朱印コーナーは勿論充実。シーズンもののビールの如く、スペシャルバージョンをちょいちょい出してるようなので、お好きな方は是非(適当)

登楼から本堂、そして本長谷寺(もと-)→五重塔とめぐって、ぐるっと反時計回りに坂を下りてくるのが順路。

過度に整備されているとはいえ、急坂に沿って築かれた宗教施設群である。足が悪い人には極度に向かない。


旧本堂?本長谷寺はいぶし銀の素敵さ。

年代が旧いがオリジナルの建物かどうかについては言及されていなかった。木材の様子からして、7cのオリジナルとかではないと思う。
いずれにしろ、王朝文学における定番エピソード・初瀬詣。その頃の長谷寺には現在のような立派な本堂があったわけではないだろうし、相当小ぢんまりしていたことが推測される。



昭和に建てられた五重塔屈指の傑作だそうだ。




あとはゆるりと下山するのだった。

本日のウォーキング終了。

また門前町を戻り、近鉄長谷寺駅に着いた。

まとめ。今回は本当にウォーキング。

  • 安心・快適なウォーキングを楽しむのに最適な山の辺の道。トレッキング要素はほぼ無い。寄り道したくなるポイント数多。今回はいつもと逆ルートをあるくことで、魅力再発見。
    • ホント、どの季節に来ても良い。季節ごとに、映える景色も変わる。道中ずっとにぎわっているので、心閑にウォーキングとはいかないけどね。

  • 山の辺の道には過剰な位に道標・案内板があるが、初瀬路にはというと、本当に無い。時々「東海自然歩道」の小さなポールがある程度。
    • 初瀬路ルートは大半が国道165号に飲みこまれている。道標見逃したのかどうか、何度となく重要な見どころをスルーしてしまい、とってかえした。初瀬路って現代的には、歩いて詣でるコースじゃないってことなのかも。
  • 長谷寺は、500円でお値段以上ニトリの仏教エンタメを提供する古刹だ。初瀬詣に訪れる価値がないわけがない(反語)。

  • 秋も深まってきた。紅葉の直前、涼しい秋晴れの日に歩くと本当にここちよいコースだ。そしてもちろん、無人販売で収穫の秋もちょいと楽しめた。もう板チョコは溶けないぞ。

  • 今回は、三輪山登拝し損ねたのだけが悔やまれるが、それ以外の目的地はフルコンプリートだった。もっと寄り道してもよかったかな。

数ヵ月後にはまた来るぜ、待ってろ山の辺!