駄目社員はむの日記

USO800 certified.

Tribute to 高田継男先生

えーまず今年5月、札幌某所にて、PF-1Aを頂いてしまった。

ミズホ通信が出していた数々の無線用小物のうち、CW用のオーディオピークフィルターのユニットである。
このAPFは、CWフィルターのない/帯域が広い無線機に付加することで、それなりにAF選択度向上効果を発揮するそうである。あと、VRでピーク周波数を可変できるのが素敵だ。


長年いじってみたいと思っていたのだが、こんな形で出会うとは。
参考:ミズホ通信・・過去の製品カタログ・説明書などの資料室にPF-1Aマニュアルあります(直リンクはしません)

ミズホファンたる僕とて、PF-1Aの実物を目にしたのは初めてだ。

APFはユニット化されており、内部基板は金属蒸着された小さな樹脂ケースに隠されている。
分解して内部を見たり、リバースエンジニアリングしたい気持ちもある。
某サイトによると、中身はRC4558系OPアンプが1個入っているだけのシンプルなものなのだそうである。


しかしせっかく傷物じゃないオリジナルが手に入ったので、そこはリスペクトしてそのまま、オーディオアンプとともにオーディオピークフィルターのユニットボックスにまとめたいと思う。
未配線のPF-1Aを所持しているごくごく奇特な方々以外には全くと言っていいほど参考にならない記事で、恐縮。

昨日の晩時点で既に動作していた。

ケースに収める。


バラックからあまり発展しないけどね。

備忘録

構成はごく単純に、PF-1A + LM386のAFアンプ。

  • 入力はヘッドフォン端子(ミニ)。リグのヘッドフォン出力レベルをそのまま入力(片ch分だけ)。
  • 出力もヘッドフォン端子(ミニ)。ステレオヘッドフォンをそのまま挿せるよう配線
  • オーディオアンプ:横着して、LM386定番回路。pin 1-8間は10uF(200倍)。ここでは音量優先で、非革命アンプなどはやらない。
  • APF/スルー切り替え(2回路2接点スナップスイッチ)をリアパネルに設ける
  • APFユニットが過大入力とならぬよう、入力側にシリーズに100kohmをかます(APFスルーとの音量バランスも考慮)
  • 音量用ボリューム:デジットで売ってたスイッチ付きVR(10kB)をAPFとオーディオアンプの間にかまし、電源ON/OFF共用
  • APF ピーク周波数VR:500kΩB
  • ケースは毎度お世話になっている摂津金属(IDEAL) SB-2。小プロジェクト向けに最高の筐体だ。*1
  • 電源は8〜12V。

実ははこれ、APFユニット活用に加えて、「スピーカー鳴らせるぐらいまで増幅できる、自作機器テスト用の簡易AFアンプ」も兼ねていたりします。

使用感。

ONにすると、コーーーとAPFらしい音が出力される。
リグでCWを受信しながら入力APFのピーク周波数VRを回していくと、CWのトーンが急激に強く聞こえる点がある。これぞAPF。


CW用AFフィルターの作例は数多あるが、ピーク周波数固定のBPFが付加回路としてベストとは考えていない(個人的意見)。
マチュアのCW運用では常にぴったりの周波数どうしで交信するわけではないし、CWのトーン周波数にも運用者によって好みがあるので、スイッチトキャパシタフィルタなどを使用したシャープなスカート特性で周波数固定のものよりも、入感した信号のトーンに応じ、直観的にVRでピーク周波数を動かせる方が実用上のメリットがあると思う。


昨今のDSPトランシーバーに内蔵されたデジタルAPFは非常に素晴らしい特性なのだが、ズレて呼ばれたりするとピークから外れて著しくAF信号が減衰してしまう上、ピーク周波数を動かすツマミがロータリーエンコーダーだったりするので、瞬時にズレに対応できない場合が多いのだ。

*1:本当に使いやすいケースなので、できればいつまでも製造してもらいたい。