久しぶりに、日帰りで関西の古道歩きをすることにした。
関西には古墳時代以降近代に至るまでの参詣道・古道・街道が多数存在し、近年になってもルートが「発見される」なんてニュースさえある。しかしその多くが、電車でのアクセスが困難で、「駅からはバスやタクシーでどこそこ行け(タクシー代何千円だけどな)」などとガイドブックに載っていたりする。
本日は、その点においてはアクセスが容易でかつ古道歩き気分をかなり楽しめそうな、奈良県宇陀市の室生寺(むろうじ)を参詣する道「室生古道」を歩いてみることにした。
まずその「室生寺」って、アクセス要因も手伝ってか、奈良に数多く存在するビッグネームクラスの名刹*1に比べると、知名度は多少低いかもしれない。「女人高野」の別名があるとか、ってあれ、それって高野山町石道歩きの時も登場した名前のような。いくつかあるのか女人高野?
そして今日歩く「室生古道」は、近鉄・室生口大野~高井バス停間のルートがハッキリしているという。
軽くコースアウト、からの、東海自然歩道。
この辺から東海自然歩道になるはずなのだが・・・標識が何もない。コースアウトしちまった。
そこで地元の方に教えを請い、吊橋をわたって少し歩くと、
ようやく東海自然歩道の標識に逢えた。
もしウォーキングコースとして売り出したいなら、室生口大野駅~東海自然歩道の入口までのわかりやすい標識が欲しいところ。
さ、ここからは「室生古道」だ。室生寺へ向かう。
石畳とも山道ともいえない杉木立の間を、小川に沿って歩く。
延々登り。
苔むした石と、時々オーバーフローした小川と、多数散乱する杉の枝。靴底がもうちょい分厚いのにすべきだったか。
昨夜が雨だったからなのか、道が軽くぬかるんで歩きにくい・・・と思ってたが、少し歩いていて気づいた。この辺りはそこかしこから水が湧き出しているのだ。
古道歩き感を満喫できるのはここまでだった。
さらに、仏隆寺に向かう。
「ここで東海自然歩道はおしまい」ってことを僕は知らなかった。その続きの標識を探すために時間を費やした。
ここからは仏隆寺へ。日々国際物流に泣かされている僕は、仏隆寺の厄除け(あるのか?)でも買った方がいいかもしれん。
以降はほとんどアスファルトの道を歩くことになる。
枝垂桜の咲くシーズンに来たい西光寺、東屋に収まってる腰折れ地蔵と、ランドマークを次々制覇していく。
仏隆寺到着。
小さくてかわいらしい寺だ。車か徒歩でしかアクセス手段がないので、おそらく桜・紅葉シーズン以外は静かなお寺。
樹齢900年の大桜が有名らしい。
寺門から下りてくる途中で、お昼。
いいこと言うねぇ。
もののついでだ。伊勢本街道を、榛原駅まで歩こう。
ここから4-5kmで近鉄榛原駅だ。そしてこのルートは伊勢本街道の一部でもある。
車道(国道)が整備された結果、古道らしい古道はほんの一部しか残っていないけどね。
13時過ぎ、榛原駅がみえてきた。
さいごに。
- まずまずの陽気の下、奈良の落ち着いたお寺と自然を満喫。室生古道はアスファルト歩きが大半とはいえ、古道らしい杉木立の細道を歩け、軽トレッキングもでき、お寺も参詣できる素敵ルートでした。
- 室生古道は室生寺に着くまでは靴底の硬い登山靴が欲しかったけど、以降はコンクリの上を延々歩くことを考えると、適度に曲がるトレッキングシューズの靴底がベターなのかな。
- 日曜日の午前中だというのに、古道を歩いている間、寺や里山以外で人と一度もすれ違わなかった*2。ジジババ・家族連れでイモ洗いな山の辺の道よりも、心閑かに歩けて良いけどね。
- 食料・水も含め、装備はもう少し軽めでもよかった。まあただ、軽くしたときに限ってトラブルが発生するものだ。
- トレッキングポール・トレッキングシューズ・靴下、いずれも限界に近い。買い時を痛感。
- 真冬はさすがに寒かろうけど、晩夏か秋ぐらい、天気のいい日にまた来たいと思う。