初夏以来の、山の辺の道である。
6月以来、約半年ぶりの山の辺の道ウォークに行きたいと思う。
- 自宅が変わったりザイタークが増えっぱなしだったり、僕を取り巻く環境は多少変化はあるが、何より、山の辺の道の風景の変化。晩秋の色彩・・・魅力には勝てない。
- 定番の見所は行きつくしているので、観光の要素はあまり求めない。ともかく歩きたい。
- そして今回は、一つ大事な目標がある。
駅前から淡々と歩き、10時 大神神社着。
#「おおみわ」神社だよ、読者各位におかれましては、読めますね?
味酒(うまさけ)だけに、日本酒の大樽が多数奉納されていた。
そして10時過ぎ、
そのすぐ近所にある大神神社の摂社・「狭井神社」に到着。
今日の目標は、三輪山の登拝(とうはい)だ。
狭井神社は神社としてとりたててスペシャルではない。
しかし、三輪山入山へのゲートウェイとして機能しているという点において、特別な意味を持つ。
そう、万葉集以降歌に幾度も詠われた、あの三輪山である。
僕自身、以前から大神神社の御神体=三輪山に登りたかったのだが、2年前は大人気すぎて定員オーバーで登れず、この初夏はコロナで登拝中止中と、チャンスを逃してきた。いわば捲土重来。
前日確認した限り、ウェブページによると、現在は午前中受付であれば登らせていただけるという。感染者再増加でまさか・・・と思ったが、今日はセーフだった。
ご参考:三輪山登拝について | 大神神社(おおみわじんじゃ)
住所と携帯番号を書いて提出し、300円登拝料を納める。
そして首にたすきをかけ、御幣で体を清めてから、登り始める。
もちろん写真は神さまに失礼にあたるので御法度。同様の理由で、水分を取る以外の飲食禁止。トイレもない。
低山と侮らず準備する。
三輪山登拝、目標達成。
三輪山は460m程度の円錐形の山。低山だ。だが、レジャー気分で登るような山ではない。
- 紅葉をほぼ終えたらしい三輪山に、足を踏み入れる。天気がよくて暑くもなく、絶好のコンディションではなかろうか。
- 1本道を、9本の標柱に従い頂上(高宮神社→奥津磐座)まで登り、お参りして、同じルートを下山するコースとのこと。説明図を見る限り、意外なほどに直線的に頂上を目指すもよう。受付によると往復2-3時間だそうだ。そんなに長いんか?
- 時節柄、マスク着用義務。や、マスクつけて呼吸困難なままに登り続けるの、地獄過ぎ。高地トレーニングかよ。
急坂が続く場所も多く、意外にきつい。
- ここは「神体山」なのだ。錫杖に裸足、白装束のガチ勢もおられた。
- 一方で、ふつうの荷物を手に、スカートやスニーカーで登ろうとしてる人がいるけど、それは自殺行為ではなかろうか。
- 低山の登山道としてみれば十二分に整備されているレベルである。しかし過度に安全への配慮がなされている訳ではない。ぷち岩場はあるし、ぬかるみやすべりやすい箇所も複数ある。クライミングなほどじゃないが、トレッキングの域には余裕で達してるコース。
- 基本的にかなりの人数が同時に登りおりしている上、巻きみちなどほぼない一本道。コースアウトすることはありえず、むしろ対面のすれ違いで丁寧に譲る方に気配りが必要。
- 頂上に到達したからといって、眺望を楽しめるようなところはない。空はピーカンで陽が南中するような時間なのに、頂上なのに鬱蒼と茂る木々によって薄暗いのが、またセイクレッドだ。
- 僕は今回、ウォーキングには少し過剰気味な装備で来た。されどこの斜面に対しては靴底が薄過ぎた。終日もつよう背負っている食料や水の重量が、足裏にきつい。それでもLEKIのトレッキングポール持ってきただけ、だいぶ正解だった。下山は割と余裕だった。
下山し終えて、たすきを返却したら、1150。拝んだり休んだりを入れても、僕の足で2時間弱かかった。
ガチ登山だった。本日の目的達成。
目的達成したので、あとはゆるゆると歩いて帰りたい
・・・ところだが、山の辺の道としては、1/3も踏破していない。これからだ。
桧原神社を抜け箸中という地域へ。箸墓古墳があるから箸中なのだろう。
正午過ぎに快晴のまま日は高くなり、涼風と共に気温は20度を超える。
ぷちコースアウトに気づいたので、腰を下ろし昼メシがてら一休み。
それにしても、うそくさいほどの空の蒼さ。
もちろん山の辺の道の魅力は多数の墳墓でもある。
寄り道すれば多数の墳墓と出会えるのだが、景行天皇陵、崇神天皇陵はルート通り歩いていても間近で見られる。
なお衾田陵と接近遭遇することだけは、なぜか毎回ルートに組み込まれている。
ざっつ前方後円墳。墳墓の周辺が柿の木だらけなのが、むしろ不思議な風情を醸し出す。