駄目社員はむの日記

USO800 certified.

あ、ひさしぶりにトランスバーターです。

東京ハイパワーのHX-640というトランスバーター、再登場。

以前も幣日記で紹介したが、こいつは、オンリーワンなトランスバーターだ。
6m(50MHz帯)の無線機を親機として、HF各バンドに出られるというメーカー製のトランスバーター。こんなのは後にも先にもないと思う。
3年ほど前にジャンクを頂いて、その後は時々火を入れる程度であった。
この度、親機として絶妙なリグをこれまたたまたま入手してしまい、思わぬところでネタ再開と相成った。

その名も、八重洲無線 FT-690mk2。

  • ポータブルタイプの6mオールモードトランシーバーである。かつてはこれぐらいのポータブル機は、サイズから「弁当箱」と称された。実際、大体弁当箱サイズである。
  • が、オールモードを謳いながら出られるのはSSB/CW/FMであり、6mマンには暑っ苦しい思い入れがあるAMモードには出られない。6mマニアにとっては少々ビターな思い出となるリグなのかもしれない。

私がこいつを親機としてみようというのだ、アムロエゴだよそれは!

オサーカの6mバンドは素敵だ。7MHzのアンテナにつないでも、晩には時折SSB/AM/FMでQSOが聞こえる。さすが都会だ。Es出ないとノイズしか聞こえない蝦夷地とは違うのだよ。
とはいえ、ぼくはこいつでHFを聞きたいのだ。

そんなわけで、FT-690mkII + HX-640をつないでみる。

HX-640は2年ほど前にテストしたっきりでていねいな調整は行っていない。FT-690mk2は入手直後だからほとんどいじっていない。
そんなんでも、とりあえず繋ぎこんでクリコン(クリスタルコンバーター)として使う。

重ねてみると、サイズも含めてこの組み合わせのために設計されていたことがよく分かりますな。
さ、プリミティブな戯れをはじめようか。

インプレ:受信

  • クリスタルコンバーターなので当たり前といえば当たり前なのだが、通常静かなバンドしか受信できない50MHzのシンプルな無線機で、7MHzの喧騒が聞こえるというのはふしぎな感覚ではある。一言でいうと楽しい。そして結構よく聴こえる。
  • なお、このトランスバーターは親機がLSB/USB両方を吐けないと、3.5MHz/7MHzでSSBの運用ができない。ピコトランシーバーなどのUSBしか吐けない6m機だと14/21/28MHz専用機になっちまう。
  • ローバンドのCWでQSOするにはフィルターなしは過酷すぎる。にぎやかすぎる。
  • 親機の受信感度が高すぎて、ノイズが多い。バンド内に強い信号がいると受信段がすぐ飽和してバンド中がザーザーとざわつく。
    • さすが6m機、混変調の考慮がされてない。昔のFT-757のような豪快な飽和っぷりだ。更にトランスバーター側にもミキサーもあるから、多信号特性激ヨワだ。
    • トランスバーター側にはプリアンプが内蔵されているが、むしろアッテネーターがほしい。

インプレ:送信準備。

免許はないので送信するつもりはないが、ダミーロードにつないで遊んでみた。

  • HX-640にはFT-690mk2+FL-6020の出力10Wをそのままたたきこめる。どうやら出力は40Wぐらい出るようだ。
  • キャリコンで送受信切替をしているがちょっと危ないので、好ましくはスタンバイの工夫をしたい。なるべくスマートな方法で。
  • FT-690mk2は意外にもCWモードに割と配慮されており、セミブレークインとサイドトーンを内蔵しているのだ。エレキーさえつなげば送信側は万全ではないだろうか。
  • SSBの送信音は少し硬い。これは親機の音なのかな。CWのトーンはまあまあきれい。
  • ちなみにHX-640にスルー回路は内蔵されていない。HX-640のPOWERを落とすと、そいつつないだままで親機を送受信できるわけではないのだ。



うーんしかしなんだろう、このモトコンポで高速道路に侵入しちゃうようなミニマルな楽しさは。クリッカブルで小さなVFOつまみをまわしながら受信するだけでもたのしい。

おまけ:HX-640の内部。


PA/LPF部を見てみる。古典的にしてきれいな実装である。

この辺の石が死んだら試合終了だ。決して、おかしな負荷をかけてはならない。