駄目社員はむの日記

USO800 certified.

積みキット崩し - BitX40を組み立てる (1)

はじめに:積みキットを崩そう。

無線系の自作をしてるとどうしても、「作らないまま持ってしまってる部品キット」=積みキットが増える。
いずれ作ろうと思っていたのだが、ネット界隈で盛り上がっているタイミングを逃して、「あ」となっているのである。

BitXというシングルバンドトランシーバーがある。

徹底して回路の送受共用やシンプルな切り替えを行うことで、おそろしく少ない部品数で「シングルバンドSSBトランシーバー」を実現した回路である。ベースの設計はAshhar Farhan氏(VU2ESE)。
現在の公式はこちら:HF SIGNALS – The Home of BITX transceiversBITX40 – HF SIGNALS


BitXシリーズはネットコミュニティを味方につけながら、設計者自らオープンな開発と改良を続け、進化・派生を繰り返してきている。最近はアップコンバージョン・マルチバンド・高出力・FT8対応になったりまでしてるらしい(sBitxとかuBITXとか)。そのスタートとなったのが、7MHzシングルバンドSSBトランシーバー「BitX40」だ。
頒布時の価格は、45USDだったと記憶している。トランシーバーのキット、それも基板完成品としては、掛け値なしに破格である。



発売当時、僕も流行にイッチョガミしとこと思い、買っといて・・・・・・その後7年間もの間眠っていたのを、このあいだ稲葉山城で発見(汗
積みキット崩しをすることにした。

というか、基板は半完成のキットである。

ケーシングしたらいきなり完成なのだ。なんで放置プレイしてたんだよ僕・・・
まずは、むき出しのまま受信部を動作させてみる。
シンプルな構成のシングルコンバージョンである。12MHz IF*1とし、4.8~5.0MHzのVFOとミックス(逆ヘテロダイン)することで7MHz帯のLSBを変復調している。
先述の回路共用に加え、LM386や三端子レギュレータなどを除けば、とことんディスクリート素子で構成されているのも特徴である。



自作キットでよくあるのは、スルーホールの片面基板。でもこのBitX40、基板は両面で、SMDな部品が実装済みである。しかも実装密度が(意図的に?)とても低い基板設計なので、表面実装であってもハンダゴテが入り、改造やメンテが可能だ。
ひとまず付属の電線で、電源・音量VR・チューニングVR・AF出力とアンテナをつないで受信させてみると、あっさり無事動作。よしよし。

いろいろいじる前に、情報を集めておく。

BITX - A Bidirectional SSB QRP transceiver for homebrewers
オリジナルのサイトは死んでたのでWebArchive大先生のお世話に。


Review: Low cost Bitx40 7 MHz SSB transceiver module - YouTube(VK3YE)
BITX 40 Module Arrives at SolderSmoke HQ - YouTube(N2CQR)
Bitx40 from N6QW
Bitx40 modifications to help improve this HF transceiver kit - Amateur radio tips and how-to guides
BITx40 – uBitx
BITX Hacks
Ham Radio Station G0VFS - BitX40

派生プロジェクトとしては

BitXの送受共用で回路を単純化しまくる思想は、多くの自作無線機やキットなどに影響を与えているのだが、それは割愛して直系の話だけ。
QRPKITS(旧Hendricks QRP kits)の20mバージョン、BitX20Aだ。大幅な改良が加えられている。
BitX SSB 17M and 20m Transceiver - Pacific Antenna


GitHubArduinoを使ったDDS VFOなどが上がっている。
bitx40 · GitHub Topics · GitHub
GitHub - afarhan/bitx40: BITX40 sketch for Raduino
(つづく)

*1:4素子ラダー型SSBフィルターでUSBを発生させる