駄目社員はむの日記

USO800 certified.

電圧可変の「定電圧電源ボックス」を作る。(1)

はじめに。

あれこれ自作していると、結構低い電圧の定電圧電源が欲しい場面がある。
アルインコのDM-330MVなど自宅に可変型スイッチング電源は手持ちがあるが、低い電圧まで可変できるものは少ない。
しかも、値を変えたまんまにして気付かずに他の機器と繋ぎこみぶっ壊す可能性があるから、あまり電圧調整のツマミはいじりたくないのだ。

古い回路を引っ張り出す。

古い「初歩のラジオ」を読んでたら、素敵な記事を見つけた。

ファミコン(時代ですね)用のACアダプターを借用していろんな電圧を吐く、デコデコ(DC-DCコンバーター)である。なかなか有用で、1.5/3/4.5/5/6/9Vの固定電圧を吐けるという。これはナイス。
80年代当時、初歩のラジオに主にデジタル機器製作記事を執筆してたライターさん「夢中人」さんの記事。

回路はいたって簡単。だが、良く工夫されている。


定石通りの回路。
電圧可変三端子レギュレータの定番「LM317T」はぶら下げる抵抗の値で電圧を可変できるが、絶妙な抵抗値を選びロータリースイッチで切り替えることで、よく使う電圧を吐けるようになっているのだ。
たぶん設計した後、トライアルアンドエラーで抵抗値を微調整したのだろう。さすが夢中人さん!

なおLM317の使い方で注意しなければならないのは3点だけ。

①十分な差がある入出力電圧にする、②普通の三端子レギュレータと異なり、フィン部分がGNDではなくADJUSTMENTピンだ。ケースに直にねじ止めし、アースに落としてはいけない。あと③電圧をドロップさせた分は力いっぱい熱に変換するので、ヒートシンクは大きめに。

部品を集める。

  • LM317Tは秋月でもどこでも売ってますよね。
  • 質のいいロータリースイッチは消えゆく存在。アルプスの日本製2回路6接点はデジットで@100円なのでありがてぇ。*1
  • 入出力端子・接栓は自分の使いやすいのにしてください。僕の場合、なぜか出力はバナナジャックにした。*2
  • 出力電圧のキモなので、抵抗値だけは指定通りにしたほうが良いです。
  • あとは整流Di・LED・電解コン他、普通のパーツばかりです。


(つづく)

*1:長いことデジット店頭にあったけど、さすがに売り切れたかも。

*2:べ、べつにジョンソン端子や陸軍端子の在庫がなかったからじゃないんだからね?勘違いしないでよね?