駄目社員はむの日記

USO800 certified.

春の(吉)野を行く (2) 象の小川、宮滝

0930 金峯山寺を後にする。

境内を後にして、しばし吉野山そぞろ歩き。

門前町すな。こういった通りが続く。
先日宇陀松山に行った際、「吉野葛」と「吉野本葛」は異なることを学んだ。そのキーワードを頭に留めつつ歩くと、たしかに「吉野本葛」の店は限られるようだ。


雪は本降り。春を探しに来たつもりが、ほぼ冬だった。

吉水神社に達す。

吉野桜のスポットとして売り出している。


南朝の皇居があったことで知られる。




それと、「一目千本」と称する桜の絶景スポットを擁する。もちろん今時分は一輪たりとも咲いていない。おそらく一カ月もすれば、スマホ片手に桜の風景なんぞを撮ろうと必死の形相の老若男女であふれかえるのだろう。僕は否定するつもりはないが、それに混ざるつもりもない。



なおこの神社、二礼二拍手ではない。「十七拍手」がマナーだ。間違ったらマナー講師に怒られるぞ!
寝ぼけた神様を全力で叩き起こしに行くスタイルなのだろうか・・・って、「十七神」をリスペクトするんですな。17神て。
桜井市に十二神を敬う「十二柱神社」をみつけて「多いな」と感じてたが、かるがるとK点越えしている。おもちゃ売りの合体ロボでさえ、そんなに合体パーツは多くないだろうよ。


うう、それにしても寒いな。

勝手神社の焼失


以前このあたりに来た時に何故か見落とした?勝手神社を見つけた。あれ、本殿は?

本殿は「不審火により焼失」とのことだった。なんてこったい。日常にあって無の常を覚える瞬間である。
#どうりで、付近を通り過ぎても気づかないわけだorz

如意輪寺へ向かおう。




そこそこにハイキングコースレベルの参道を歩いて、質素ながら品のある境内。

そして更にもう一登りすると、後醍醐帝の御陵である。

明治以降では厳しく線引きがなされたが、寺に隣接してみささぎが存在するのはお察しである。

如意輪寺の境内右奥から




細道を抜け、坂を登り続けていくと、近畿自然歩道に合流する。
このあたり、半月と待たず花粉症地獄になりそうな杉林がしばし続く。当日はマスクなしだけど全然大したことなかった。

2チェックポイント:高滝。



象の小川(きさ-)、ないしは喜佐谷川に沿って歩く。


すると、落差10mがなかなか大きく見える高滝。いつ見ても実にいい。
滝つぼを経て、一般道に出る。森林セラピーっすなぁ。すごく心地よい気分。

桜木神社を経て、雪隠で用を足す。



祈りはなかなか神様に届きませぬな。

公衆オサレ和トイレ。木材の産地だからって贅を尽くしすぎ。

次いで第3チェックポイント:宮滝。

正午、宮滝に達す。



吉野川の水流が浸食した岩の数々は、まさに絶景。奇岩マニアならだれしも大狂喜だろう。


なお展望台からよりも、柴橋から撮る方が見応えある絵になるぞ。
ご参考:奈良県景観資産―吉野川が眺望できる宮滝・柴橋―/奈良県公式ホームページ

吉野川に架かる柴橋を北詰側へ渡る。

宮滝遺跡が点在。



吉野離宮跡がこのあたりとされている。来たいと思ってた吉野歴史資料館は閉館中。コロナめ!
ご参考:吉野歴史資料館 | 吉野町公式ホームページ


実は、この宮滝近辺で今回の主目的は早くも達成なのだ。
さてこれからどうしようかと思いつつ、吉野川北岸を西へ向かう。

なお吉野川は、架かる橋が極端に少ない。

「まあ、次の橋渡ればいいだろ」と思ったら、余裕で数キロ次の橋まで歩くことになるのだ。
そして北岸側は車道の端を歩き、なかなか不安全行動である。
今回は宮滝遺跡を見てみたかったし、それを見ると延々橋がないから仕方なしに北岸を歩いたけれど、道中の安全と、あと風情ある道歩きを楽しみたいのなら、南岸の細い街道がおすすすめだ。
(つづく)