駄目社員はむの日記

USO800 certified.

はなももみぢもなかりけり(計画通り) - 吉野を歩き尽くす(4)

中千本に戻ってきたからには

吉野山で最重要の見所を、忘れてはいけない。
如意輪寺から舗道に復帰。駅方向へと歩く。

吉野温泉元湯の裏に山道を見つけた。


いずれ泊まってみたいものだ。
日帰り入浴も可能らしいが、この空間で寛ぐ贅沢ってあると思う。

ここから「蔵王堂」方面へと行けるという。これは行っておかねば。



既に足は限界に達し、今にもつりそうな感じだが、もはや欲と道連れ。ここまで来たらコンプリートせずにいられようか。ガンガン登っていく。

山道を15分ほど登ると、吉水神社だった。


美しい境内。4S活動が行き届いている、労働安全衛生のお手本のような職場だ。ヨシッ!
そしてここが南朝の朝廷があった場所だという。


一日千本一目千本の風景。


現在は桜の名所でもあるらしい。見晴らしの良いこの寺から見下ろす山桜は絶景だとか。
春にはきっとスマホを向ける人々がこのあたりに群れを成していることだろう。

最終目的地へ。


その掲示板、情報過多。

やだ、かっこいい。

石段のカマキリさんちーす。

最後のチェックポイントは「金峯山修験本宗」の総本山、金峯山寺

きんぷせんじと読む(ごく一般常識)。

広大な敷地と、国宝である本堂=蔵王堂(ざおう-)でも知られる。
歴史・文化・宗教・建築。あらゆる点で、吉野を代表する社寺とはどこかと問われれば、異論なくここである。吉野神宮ではない(ひつこい)。
「修験~」を名乗っているのはもちろん、このお寺こそが修験道の根本道場だからだ。吉野山と熊野を結ぶ大峯奥駈道とは、本来彼ら宗徒のための峰入修行の場なのだ。本堂の名前からして、蔵王権現をまつっているらしいことがわかる・・・もなにも、その本丸も本丸ですよねすんません。

実際に現地に立って見聞きすると、浅学の僕でも、バラバラに頭にインプットされていた断片的情報どうしつながることって多いものだ。フィールドワーク超だいじ。*1



ただし、目下蔵王堂や仁王門は工事中。健康祈願のお守りを買ってきたよ。
ウルトラクイズで言えば、チェックポイント転戦の果て、たどり着いた決勝の地ニューヨークという気分だった。仁王門が工事中で、自由の女・・・金剛力士立像が微笑んでくれることはなかったけど。*2

帰路。

日もいよいよ暮れかけてきた。そろそろ帰りたい。


金峯山寺周辺は門前町を形成しており、吉野葛に柿の葉寿司、湯葉などローカルフードが魅力的ではある。餅や川魚(アユ?)をお外で焼いて売る店もあった。

そのまま歩いていけば吉野神宮だ。


左行けば吉野神宮、右に降りると吉野駅
でも「左」はどうでもいいので、素直に七曲坂(コンクリ)を下る。



ああ神よ。七曲ときくと七曲署しか思い浮かばない僕をどうかお許しください。

たぶん明日は立つのもしんどかろうな。オプショナルツアーが結構足にきてる。



くそうブルジョワどもめ。いつか見返してやる!←今からじゃ無理

1655、日没コールド前に吉野駅着。


吉野一日大満足コースでした。
お空は、ふと気づくと鉛色の雲で占められていた。雨が降り出すのももう間もなくだろう。

まとめ。んー吉野、いいっすねえ。

  • 下千本・中千本・上千本・奥千本と定番の見所をフルコンプし、(ぷち)最高峰への登頂を果たし、部分的に熊野古道(大峯奥駈道)も歩き、更には主な川や滝も観倒す。まさに欲張りコースだった。
  • 各地域を結ぶウォーキングルートはほどよく整備されていた。十分すぎるほど道標があり、時々どっちか迷う場面もあったが、コースアウトはほとんど発生しなかった。
    • あちこち危険箇所がある「青根ケ峰~蜻蛉の滝」間を除けばね。
    • とはいえ水・食料・トレッキングシューズはちゃんと持って行こうね。

  • 吉野山周辺ウォークは、寺社巡りだけでも楽しいが、道歩きと寺社のバランスがドストレートだった。このルートは機会があれば、桜と紅葉のシーズンを避けて(なおかつ日の長い時期に)またぜひ回りたい。そして葛切りやら柿の葉寿司やら頬張りたいものだ*3
  • 秋をだいぶ削り取るように続いた、今年の長い夏の陽気。今日はおそらくそのオーラスだったのだろう。秋も後半、山中日没コールドが仮想敵だったぜ。


じゃあな吉野ちゃーん、またくるぜ?

*1:インプットなしに行くと観光客と同じ感想しか得られまいけど。

*2:工事期間中は、奈良博で展示されているそうです。

*3:今回は歩きすぎて、門前町に着いた頃には食欲が喪失していたのだ。