駄目社員はむの日記

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リグ内蔵のオートアンテナチューナーをもっと活用する (1)

はじめに。

最近のHF機の多くに内蔵されているオートアンテナチューナー(ATU)だが、活用されているだろうか?

  • ATUが初めて無線機に内蔵されたHF機は、1980年代初頭に登場したTS-930Sだったと記憶している。なんだかきわどい動作で、チューナー動作中は出力の減衰も激しかった。
  • 昔のATUは内蔵・外付けいずれもコンデンサの容量上げ下げがバリコン式だったが、いつしかセラミックコンデンサをリレーでパチパチ切り替えるタイプに置き換わっていた。

実際のところ内蔵ATU、使う意味はあるだろうか?

  • 同調しているアンテナのインピーダンスが50ohmからズレて、SWRが上がってしまう場合にマッチングをとるのが本来のアンテナチューナーの役割だが、アマチュアにおける使い方はたいがい「同調すらしてないアンテナのSWRを下げる」である。
  • アンテナ直下でそれをやるならまだしも、内蔵ATUの場合は無線機の出口以降、「伝送線路からアンテナ一切合切のSWRを無理矢理下げに行く」ので、見かけのSWRは下がっても、同軸ごと電波を乗せることになり、フィーダーから要らん輻射がでちまう。いいことはなさそうだ。
  • リグのファイナル保護用の意味は、あるだろうけどね。

内蔵ATUの活用方法を再考する。

内蔵ATUで、無線機の出口以降を、より上手にアンテナとして動作させる方法がないものか。
ふと、古典的な平行フィーダーでアンテナに給電すればいいのではなかろうかと思いついた。
あらこんなところにid:takkeyさんからもらった平行フィーダーが。リボンフィーダーだからインピーダンス300ohmだけど、ミスマッチを気にしていたらやってられない。



そこで、リグから平行フィーダー(非同調フィーダー)でアンテナに給電して、マルチバンドに使えないか試すことにした。リグ出口で、内蔵ATUで整合可能なインピーダンス範囲にステップアップ(数百ohm)しておいて、あとは平行フィーダーでアンテナの給電点へ導くのだ。