つまり、発光素子で寿命(=明るさが半減するまでの時間*1 )を評価する場合、よく学会発表などで発表されており、おそらくはメーカーでもベースにしている評価法は、
- 素子に印加する駆動電圧・電流を高くして無理に光らせた強制劣化条件下での寿命測定を行い、得られた発光挙動の減衰曲線(ディケーカーブ)
- 実際に通常の駆動条件で数百時間程度駆動した場合のディケーカーブ
を見比べ、合わせ込んだ換算式をつくり、
「強制劣化では○時間でここまで暗くなったから、実駆動での寿命は△時間に相当」
と称しているわけです。
これは、電機メーカーが無機物の半導体素子を試験してくる中で一般化した、エンジニアリング的にとても優れた方法なのでしょう。
綺麗に作った無機物が相手であれば、多少の摂動ではあまり構造に想定外のことが起こらないからなんでしょうか。それとも、無機物の破壊モードは、特に半導体に用いられる金属や化合物について、調べ尽くされたからなのかもしれません。
いずれにしろ、短時間での測定から巧く実寿命を説明(予測)できるような試験法を決められるかは、試験法を作る人の腕の見せ所といったところでしょうか。
だらだらつづく。