はじめに:クセのあるラジオは大好物だ。
ソニーには、SSB/CWが聴ける短波ラジオなど、ラジオに関してはオーバースペックでとんがったものを多数出してきた歴史がある。
それというのも、かの井深大氏は戦前、J3BBというコールサインのハムだったのだ。愛すべきラジオバカがトップにいた企業なのである。
そもそも井深氏らが設立したソニーのルーツは「東京通信研究所」。トランジスタラジオの輸出をターニングポイントに大手への道を歩んだ企業の、実質的な「祖業」がラジオだと言い切れなくもない。
(HAM Journal No.69(1990)よりタイトルだけ)
#そんな記事を執筆している「BCLの神様」故・山田耕嗣セソセイも、もちろんハムだ。
(トランシーバ改造マニュアル'90(1990)よりタイトルだけ)
#さすがは三才ブックス、遠慮なく毒を吐いていて小気味いい。
それはさておき、ソニーが出した極左も極左なラジオのひとつが、エアバンド受信機AIR-7だ。
- 受信機ながら、ハンディトランシーバーのジャンボポッキーのような見た目で、アンテナ端子にBNC端子が装備されている。意匠からしてもうクセ強すぎる。
- しかも受信できるバンド/周波数範囲は、MF(AM/)FM(wide FM)/エアバンド(AM)/PSB*1(=144-174MHz, narrow FM)だ。や、電機大手がエアバンド聴ける受信機作っちゃおうぜというのも驚きだけど、2m FMも聞こえるラジオ作るってなんなんだよ。控えめに言ってこんな商品企画、稟議通る会社超頭おかしい(大絶賛)。
- 僕は十年程前に、このAIR-7をジャンク品として数百円で入手した。手元に来たら実際ジャンクそのものであり、その後実家で放置されていたのだ。なにしろ音が出ないのが致命的。
ご参考:
SONY AIR-7
SONY, AIR-7/8 - テレビ修理-頑固親父の修理日記
SONY AIR-7の修理 - JP3MFK's blog
正直ベンダー泣かせだよな。よくもまあ「なんともクセの強いパーツ」を納入するよう、要求したものだ。
軸をガッチョンと押し込んで収納するタイプの可変抵抗って、昔の電化製品には時々あった(アナログテレビの色合い調整とかね)が、今はわざわざ押し込む機構にする意味ないよなあ。
#押し込みを前提とした、ザグり部分の深い二重筐体が必要になる。*2