駄目社員はむの日記

USO800 certified.

160mのピーク可変バンドパスフィルタ (1) 製作編

受信用のバンドパスフィルタはいろいろつくってきたが、ようやく160mである。

160mは何しろ、外来ノイズはもちろん、大出力のBC放送帯の影響が大きいバンドだ。
特に後者。160mでフルサイズのワイヤーアンテナを張ろうものなら、小型ラジオ内蔵のバーアンテナでも受かるほどの猛烈に強力な信号を、ほぼ同調したアンテナで受けるのである。


そしてこの夏から160m SSBに出るようになると、CWに比べて了解度を上げにくい場面の多さを痛感。弱い信号に高いノイズ、狭められない帯域。
160mのS/N比を上げるべく日夜気合を入れている方もおられるぐらいだが、僕のシャックの環境で少しでも外来信号を削り受信能力を改善する努力をすべく、受信用バンドパスフィルタを検討してみることにした。
#目標はひとまず、BC放送帯をガッチリ落とすこと。

回路はVE7BPOのサイトにあるものをベースにした。

#この回路、大元はたぶんEMRFDだと思う。

cited from QRP Homebuilder (VE7BPO)


シンプルにしてバッチリ動作する受信用BPFだ。僕の実験でも、40m/80mで実績がある。

パーツ 80mバージョン(VE7BPO) 160mバージョン(はむ)
セラコン 82+15p 100p*2
セラコン 330p 330p*2
セラコン 10p 22p
バリコン 2.5-60p 10-200pぐらい
トロイダルコイル 3.97uH 8.2uHぐらい

適当に計算。手持ちのパーツでちょちょいのちょい。

適当に作り始める。


それにしても、LCRメーターがあって、VNAもあって、便利な時代ですなぁ。
トロイダルコイルには、T68-2を使った。本当はもう少し大きいコアを使ってQを稼ぎたかったけど手持ちで。
計算上38Tで8uHぐらいになるので、40Tで始めることにした。9.29uH@100kHz(LCRメータ)が得られた。

試作&テスト測定。


2連の特性のそろったエアバリコンが必要というのは致し方ない(再現性に課題ありますな)。


BPFのピーク位置を見ながらコイルを少しずつリリースしていったら、いきなりそこそこのができてしまった。
T68-2の巻数を36Tとしたとき、エアバリコンの端から端で1730kHz~1930kHzがカバーできた。もう1ターンリリースしてもよかったかもだけど、十分よね。T68-2(Toroid King)で計算すると7.4uH@1.8MHzか。



NanoVNAで見た周波数特性は、上掲の通り。
1820kHzセンターにしたとき、500kHz下(BC帯)が-60dB落ちてて、インサーションロス-2.5dB以下。結構上々では。
#高周波ワニス塗っとこ。
近いうちにシャックに持ち込み、試してみたい。


測定編に続く