はじめに。
二上山(にじょうざん)は、実にふしぎな山だ。
400mかその程度のド低山なツインピークス。周囲の山より相当低い。にもかかわらず絶妙な位置関係にあるため、やけに遠くからも見えてしまうランドマーク的な山なのだ。
前回竹内街道を歩いた際は、二上山を登ってみたい欲望に抗えず、二上山登り→當麻寺→竹内峠と盛りだくさんな内容になってしまった。
今日は、GWを挟んで久しぶりのウォーキング。足のリハビリも兼ねて、二上山麓ウォークからの竹内街道ってことにした。
いや、そうするつもりだったんだ。
ご参考:二上山の紹介 - 香芝市公式ホームページ、悲劇の皇子を悼む、二上山の頂へ(万葉ルート07)|記紀・万葉でたどる奈良
6時半、二上山駅下車。
専称寺→加守神社と来て、登山口へ向かう道標発見。
二上山駅周辺の寺社をめぐってから、近畿自然歩道ルートへ入る。
ああここから二上山登ったわ。見覚えある。ということは二上神社口駅の近所なのね?
うーん・・・でも登らない、登らんぞ!
近鉄線&国道165号に沿った小道を、寺社めぐりしながら歩く。
- 石光寺(せっこうじ)は秘仏の石仏公開中らしい。しかし朝早すぎてしまっている。ここも関西花の寺組合に加盟しているらしいぞ。
- 高雄寺。本堂が焼失したまま100年余りがたつらしい。寺跡となっていない以上は、何らかの形で命脈を保っているのか?
- そうこうしているうちに、当麻寺が近づいてくる。
當麻山口神社に至る。
緑に満ち満ちた、広い神域。ここちよい空気をいっぱいに吸える。
この辺まで来ると記憶がよみがえってきた。境内は歩いていないが、鳥居などは見覚えある。
いや、前回なぜこんな素敵な神社をスルーしたのかの方がふしぎだ。似たルートを歩くと、こういう「取りこぼし」がリカバリできたりすることも魅力である。
0815、第一チェックポイント「當麻寺(たいまでら)」着。
いうまでもなく、當麻寺は二上山麓一帯を代表するお寺である。まだ朝早く、参拝客も疎ら。
本堂(もちろん国宝)とご対面。んー、美しい。対称性は正義である。社寺建築好きは、まず百人に百人、軒反り好きなのだ!
なにしろ、そこらじゅう国内最古クラスの木造建築がズドンズドン立っている。建築・歴史好き垂涎だ。
日本最古の梵鐘(白鳳時代)も素晴らしい。
梵鐘を鳴らすのは日本発な仏教文化であるらしい。日本に仏教伝来して100年程度。だから當麻寺にある梵鐘は、「鐘を鳴らす仏教」そのもの走りも走りなのかもしれない。ついでにいうと、左記の理由で、たとえ「祇園精舎」が実在していたとしても、「鐘の声」はしないという話だ。
「白鳳時代」作がホントだとしたら、高松塚古墳やキトラ古墳あたりとほぼ同時代ってことだ。どひー。
うーんしかし、「當麻寺の鐘の声」では、スペクタクル巨編軍記物語のまくらにハクが付かないね?
金堂・講堂に西塔・東塔、門と宿坊に至るまで、国宝・重文だらけで眼福。
これぞ仏教ワンダーランドだ。ありがたやありがたや・・・
ご参考:拝観案内 | 當麻寺 中之坊と伽藍堂塔 -奈良県 葛城市-
東大門に納められた願いのわらじ。ほんまやねえ。