いつどういう経緯で入手したのか覚えていないが、これまで中波受信だけが動かなかったのである。
バーアンテナから周波数変換へ向かうあたり、あちこちハンダをあっためているうちに動いたので、何となく納得感はないが、動作しているかまあいいだろう。
安いが意外と便利なラジオなのだ。
ICF-SW30は1990年代前半頃に市場にあったFM(Stereo)/AM/SWのPLLシンセサイザーなラジオ(いわゆる短波ラジオ)だ。
ハンパにデカくて、シンプルで、安く作ってある。それがすべてに影響している。
- 筐体が大きい分スピーカーも大きくできるため、短波ラジオにしては音がよく、大きい。
- 同様の理由で内蔵のバーアンテナが大きい(筐体横幅ギリギリまで大きなバーアンテナを採用)ため、AM放送の受信においては感度良好*1。長距離受信に実はいいのかもしれない。(高級機には比べるべくもないけれど)受信性能の総合点として合格点だと思う。
- まず使用上で一番の問題は、「シビアに」4.5V駆動であることだ。
- SW30操作上もっとも致命的な問題は、チューニングだ。見ての通り安価品でテンキーはついていないので、バンドを切り替えた上で、ひたすら上下キーで周波数を合わせるしかないのである。
- AMはまだ9kHz/10kHzステップで上げ下げしてもさほど手間ではない。FMも大したことはない。しかし短波(放送12バンドしかチューニングできない仕様)は1kHzステップで延々上げ下げして選局する訳で、絶望的ですらある。
- とはいえメモリーをSW・AM・FM各5局登録できるので、毎度聴く周波数さえ登録できてしまえば、ワールドクロック&スタンバイ・スリープ付きで、寝床ラジオとしてはなかなかのものなのだ。
おまけ:ラバーコートの功罪
SW30発売当時(特に90年代)、短波ラジオをはじめとしてソニーのポータブル機器では高級感を持たせるべく、筐体の表面処理として「ラバーコート」が採用されていた。たしかにそれは当時手触りがよかったが、20年も経過するとそれが加水分解を起こしてベロベログニョグニョになり、埃は付着するわ手触りは最悪になるわ周囲とくっつくわで、最悪なのである。*2
#当時のPDAとかも結構ありましたよね。PSIONとかThinkPadとか。
※あくまでもイメージ図です。
で、SW30はというと、幸い安普請に作ってくれたおかげでラバーコートは採用されていない。おかげで今使ってもプラの手触りは良好だ。