#スペシャルチューニング、などというほどのものじゃないですが
TS-440Sにはデフォルトではクリスタルフィルターが1個も入っていない。それは小型コストダウン機の宿命だ。
しかし、440Sの受信音質の悪評(硬くて聞きづらい)の原因は、主に455kHzのフィルターにあるとみていた。とりあえず、これが僕の440のIF基板。
440Sの周波数構成は、アップコンバージョン後は2nd IF 8.83MHz→3rd IF 455kHz。
デフォルトでは2nd IFにクリスタルフィルターが入っていない都合で、3rd IFの帯域を狭めることでどうにか選択度を稼いでいるという構成。
更にセツナイことに、負担が掛かるその3rd IFはコストの関係か、クリスタルフィルターじゃなくてセラミックフィルター(CFJ455K14)が使われており、帯域は±1.1-±1.3kHzという微妙な記述だ。
要は、セラフィルのシェープファクターの悪さ、帯域外減衰の悪さを耳で体感しているようなものなのだ。
・・・そうだ、貴様だ!
そんなわけで、455kHzのセラミックフィルターを取っ払って
代わりにクリスタルフィルターを入れてみた。
ICOMの古典的なSSB用クリスタルフィルターFL-44Aが手元にあったので、そいつにvictimになってもらおう。
ま、とりあえず、入出力のインピーダンスマッチング云々には目を瞑ろうではないか。
取り替えて聴いてみると、これがなかなかいい!
低域が深く沈み穏やかな音なのに加え、受信音の切れが圧倒的によくなった。そもそもバンド内のざわつきが圧倒的に少なく、受信機として別物みたいだ。
送受信テストしてみる限り、USB/LSBともキャリア漏れはないみたいだし。
上の写真を見ての通り、僕の440Sの2nd IFにはYK-88SN(SSBナロー)とYK-88C(CW 500Hz)の二つのクリスタルフィルターが挿さっているが、SSBを聞く限りはSSBフィルターをスルーにして3rd IFのクリスタルフィルターを活かした方が、豊かな音を愉しめて良い。CWフィルターを入れても、受信フィーリングの違い(妙な良さ)に少し戸惑う。*1