駄目社員はむの日記

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夜の読書:藤井青銅著「1時間でパッとわかるなるほど現代世界史」

読み物:「1時間でパッとわかるなるほど現代世界史
/ 藤井青銅」(2010, 静山社文庫, ISBN978-4-86389-050-3)
毎度見事なまでに違う切り口で読者を楽しませてくれる、青銅印の著作。センセの日本史関係の著作は「超日本史」「歴史Web」などあるけれど、今回の主題は、なにしろ現代世界史だ。

僕とて高校では世界史を選択したが、現代史はろくに習わなかった。

高校では『どうせ大学受験にまず出ないから』という共通認識からか、20世紀以降、特に第二次大戦後以降は信じられないほどの駆け足で終わってしまった。
だから中国史では清が倒れたら、西洋史ならロシア革命から世界恐慌までくると、旧石器時代あたりから延々語られてきた世界史という壮大な体系は、なんだかもう終わった気になってしまう。


そんな”世界史”を高校で学んで以降は、自発的にあれこれ学習しない限り『体系的に現代史を学ぶ』なんて機会はないままに我々はおっさんになってしまうのではないだろうか。それに現代史ってのを考えようにも、どうもとっつきにくいというか、腫れ物に触りたくないかような無意識の障壁がある気もする。

そこで、「楽しくてためになる青銅印の本」である。

切り口がよく洒脱な文章のお陰で、約250ページの文庫本を1時間ほどめくるだけで、日本の開国以降の150年史を笑いながらテンポよくレビュー出来てしまう。あるいは「現代史の仮想体験」ができてしまう。


現代史において、キーワード程度に知っている知識は、個人の頭の中では整理されていないバラバラのピースだったりすることが少なくないと思う。しかしこの本を読むと、ピースの両隣・上下が有機的に絡んでいることに気付かされ、どんな事項が世界各所で同時進行していたかがうまくつながって頭に入ってくる。
多少解釈に疑問を感じるところはあったけど、教養として知っておくべきことが多く含まれていると思います。
#一回読みとおしたけど、もう一回読んでおこうと思う。