WBR Receiver(ホイートストンブリッジを使った再生式受信機)の続き。
前回はバラックで組んだプロトタイプだったが、今回は少し真面目に組んでみた。
プロトタイプでは、再生式(いわゆるオートダイン)とは思えない程に安定で快適な受信のフィーリングを愉しめている。
昨日今日でそこそこにできたので、メモを残す。
2号機小技アレコレ。
- 再生検波(Q2)には前回は2SK30ATM(オーディオ用)を使用したが、今回は2SK19(2SK192AではなくてTO-92パッケージのK19。どっかからとっぱずしたもの; 高周波増幅用)。
- 再生制御(Q1)は2SC1815。
- ケースは相も変わらずIDEAL SB-2。
- ホイートストンブリッジ部分。
前回(試作機)から得られたノウハウから。
- オリジナルの回路図(上図)はLM386のピン配置に誤り。P1とP8は反対(P1-P8間の電解の極性と出力からのFBがそのまま付け替え)。ちなみにFB部分をつなぐとLPFがかかるので、HiFiで聞きたければFB部を切り離すとよい。
- 再生~AFアンプ部分は両面蛇の目基板を使用。一方ホイートストンブリッジ(WB)部分はストレー容量だらけになりそうなので、GNDを広く取れるよう、生基板をPカッターでけがいて作った。
- WBRはそう簡単に飽和しないことがわかっているので、ATT(R3)は省略。
- LA3ZAの実験の通り、WBのL1センタータップとアンテナ端子の間は、オリジナルのようにリード線を曲げて云々とかではなく、コイルをぶら下げた方が正解である。T37-6(黄) 9TでL1-アンテナ端子のセンターをGNDに落としすと感度大幅アップ。
参考:LA3ZA Radio & Electronics: A regenerative receiver for the 40 m band
大体できた。
7MHzSSB/CWがきれいに受かってます。音いいねぇ。
ひとまず配線とか整理してませんが。
- フロントパネル側にはFB(AF LPF) ON/OFFスイッチ・ヘッドフォン端子・チューニングツマミ、再生ツマミ。
- リアには電源入力(9-14V)・アンテナ端子。
- チューニング範囲は7185-6950kHzぐらいにおさまった。CRI聞く気はないので問題ない。
- 問題なく動作するようになったところで、L1に高周波ワニスを塗っておく。乾くと周波数範囲が若干変わるがより安定になるはず。
だいたいいいフィーリングの受信機になった気がする。
- 国内・DX共にちゃんと聞こえている。安定度もよく、電源投入後15分も置いとくとチューニングを取り直す必要がほとんどない。
- 強入力に強く、強い信号が入感しても再生が不安定になったりしない。
課題。
- できればワンボードで作っちゃいたいところ。
- 再生検波の石は、プロトタイプで使用した2SK30Aの方が検波が急峻にかかる気がする。2SK19を使用する場合は定数観直した方がいいかも。次回作ることがあったら、素直に2SK192Aで行こう。
- チューニング範囲をもし広げたいなら、バリキャップをもっと範囲広いのに替えるか、チューニング電圧をレギュレータの5VじゃなくてVccから持ってくるという手もある。あと、R12をいじれば下限がいくぶん変わるはず。
- チューニングVRは普通の10kBだとクリチカル過ぎ。BOURNSの高級品じゃなくていいので、多回転VRがはやくほしい(ケースに余裕があるなら粗動+微動ダイアルでもいいと思うが)
- LPF(LM386のFB部分)をオープンにすると音が非常によくなるので、LPF ON/OFFスイッチは設けてはみたが、実際はQRMだらけでうるさいのでLPFいれっぱなしだ。次作るときには常時ONでいいかな。
- オーディオ出力について、家で使う分には外付のVR付オーディオアンプを通してスピーカーを駆動しているので問題ないが、単体でスピーカーを鳴らせるに越したことはない。AFプリアンプを一段(とAF VR)つけた方がいいかな?
結論。
2号機で、通信に使えそうなのができた。
SB-2に収まった、そこそこに実用的で、非スーパーヘテロダインな受信機である。