駄目社員はむの日記

USO800 certified.

ICF-SW1のメンテナンス(1) ノイズ

ICF-SW1は1980年代末頃*1ソニーから出ていた、もっと言うと十和田オーディオ社が製造した短波ラジオの名機である。



某所にて、電源を入れるとビュービュー音がするというSW1を入手した。これはSW1特有のトラブルで、電源まわりの表面実装電解コンが液漏れ(&容量抜け)することでAF段に発振を起こす。ぐぐるとたくさん事例が出てくると思うので参照頂ければと思う。
一番わかりやすいのがこちら:Reparatur Sony SW1


実際の音はこんな感じである。
ICF-SW1 AF distortion trouble(1) by hamtaro on SoundCloud - Hear the world’s sounds
ビョー!というおとが、AF VRを絞っても出続け、VRを上げると歪みまくる。
ICF-SW1 AF distortion trouble(2) by hamtaro on SoundCloud - Hear the world’s sounds
ただし、ヘッドフォン端子で聞くと問題ない。録音途中からヘッドフォンを外すとスピーカーからビュービョー音がなるのが分かると思う。

さて、修理に入ろう。

ばらしていく手順は上記サイトにあるとおりなので、細かいことは書かない。

裏蓋を外し、

スピーカー端子・アースライン(3本)のはんだを外し、


どんどんばらして行って・・・
#元に戻せるだろうか・・・でもさすがSONY全盛期の実装。美しい。

電解コン2個を交換すべきAF段の基板にたどり着く。



この真ん中二つですな。

ハンダに漏れた電解液が混じって固着し、外すのに苦戦するもどうにか成功。

都合よく4V用の小さな電解があるわけでもないので、16V10uFのチップタンタルを使うことにした。
#チップタンタルのマーキングは、(電解コンと違って)+側です。ってご存知でしたかサーセン

おまけ:照明用LEDランプも交換。


ふっかーつ!それと課題。


ICF-SW1 AF fixed by hamtaro on SoundCloud - Hear the world’s sounds
スピーカーで流れる音も正常だ。これで旅先の音楽&目覚ましには困らない。


あ、問題に気づいた。
AMの受信周波数がLW-MW-SWとも5kHzぐらいずれているようだ。198kHzのBBC Radio 4が192kHzで聞こえる。PLLがずれているのだろう。次のメンテネタにしようかと思うが、実用上そんなに問題ないのでとりあえずエージング

*1:Sony Japan | Sony Design|History|1980sによると、1988年らしいです。あの頃の初ラにSW1の広告が小さく出ていたのを覚えています。