駄目社員はむの日記

USO800 certified.

御所マイレージ増加中 (葛城古道逆ルートからの、巨勢の道) (4)

古道「お乗り換え」はこちらでございま~す。

さて、葛城古道を踏破するも、なおも正午前。
ならば続行でよいだろう。船宿寺そばから、東に歩みを進める。

1145 ガス欠。

もう5時間歩き通しなのだからそりゃそうである。
胃袋へとアンパンと野菜ジュースをダンクし、元気を取り戻す。カロリーとは、正義だ。
僕ら世代において、空腹からの復活は「トォニィー・・・」からの「グゥレイト!」展開を意味する。

30分ほど歩くと、次なる道の起点。「巨勢の道」(こせ-)に入る。


JRの単線を踏み越え、JRと近鉄の線路に囲まれた細い道に出た。ええと、県道120号だという。
ギリ片側1車線だが、押しも押されぬ(これ以上押されると軽乗用車さえ通れなくなる)県道だ。
ここからは近鉄葛駅に向け北上する。



よ、読めん・・・ニホンゴムズカシイネ!

北上をはじめてほどなく、近鉄薬水駅にエンカウンター。


このあたりから北側、すなわち近鉄薬水駅~近鉄葛駅をつなぐ細道が、御所市が提唱するところの「巨勢の道」正式ルートらしい。

水泥古墳(みどろ-)に寄る。



蘇我氏にゆかりがある」との伝説「も」ある古墳。
うせやろ・・・とまではいわんが、マジかよ。蘇我氏との関係を自称する古墳っていったい何件あると思うんだ。古代どんだけ登場人物少ないんだよ。何でも有名人に絡めるのはあんたら考古学者やローカル民の悪い癖だぜ?*1

とはいえ石室が公開されており、じっくりのぞき込めるのはなかなか素敵。
古代ロマンに属性皆無だが、僕とて理工系のハシクレである。ろくな工具も運搬方法もない時代、一点モノの石を見つけてきてよくこんなきれいに成形するものだと、実物を目のあたりにするとつくづく感心する。

以降八幡神社、(JR/近鉄)吉野口駅、阿吽寺(あうん-)、正福寺とクリア。



曽我川に沿って、民家の中を歩く。
「曽我」を称するようだが、曽我兄弟のそがか、蘇我に由来するのか。いずれ調べてみよう。
御参考:歴史について | 曽我町自治会ホームページ

曽我は蘇我氏発祥の地であり、蘇我氏宗家は乙巳の変(645年)での入鹿の死によって滅亡しましたが、宗我坐宗我都比古神社の宗我座講中各家やその縁戚は蘇我氏の子孫で、今に至っています。

ほほう。


正直、巨勢の道の沿道にメジャーな見どころがあるわけではないのだが、線路のすぐ隣の道を北上するので歩きやすくはある。

そして巨勢の道のハイライトである巨勢寺跡(こせでら-)。

豪族・巨勢氏(こせうじ)にゆかりのあるお寺、ということになるのだろうか。


とはいえ「跡」なので、線路そばにある不自然な小山に、小さなお堂が立っているだけだった。

説明文を読むと、巨勢寺は日本書紀にも名を残しており、一時はかなりの勢力を誇ったという。
#平安末期には斜陽で、中世に滅びかかっていた模様。

最後に、天安川神社(あまやすかわ-)と権現堂古墳。


謂れが不明な墳墓。6世紀の円墳とされ、ここもまた石室が公開されている。


権現堂古墳 | 御所市


そこからチョイと歩くと近鉄葛駅着。ゴール。

まとめ。「御所市マイレージ」が一気に稼げた。



御所市をめぐるU字のルートであった。
葛城古道、天気の良い日に歩くコースとして最高だ。今回逆ルートで異なる風景、あと紅葉を楽しめた。そして、いずれは行こうと考えていた巨勢の道も、あわせて踏破できた。

  • 葛城古道は、前回歩いた際と同じ感想を覚えた。古道を名乗りつつも舗道歩きが大半で古道感は乏しい。しかしメジャー級ではないにしても、準メジャークラスの見どころが道中1-2kmごとに点在し、ウォーカーを愉しませ続ける。

  • 一方巨勢の道は、葛城古道に比べれば道沿いの神社仏閣をめぐるという点でコースの魅力が数段落ちるのは否めまい。古代ロマン&ローカル神社方面に興味がある人には、ワクワクなコースではないかと思う。ある意味「御所市中級者」以上向け(どんなん)。
  • このルートはほぼ「舗道歩き」だ。靴はウォーキングシューズでよいが、一部山道があるので、好ましくは足首の短いトレッキングシューズがいい。
    • 極楽寺から橋本院の間、あと高天彦神社の神域のあたりだけは、古道感あふれる山道だ。うち前者はあまり整備されておらず少し注意すべき箇所があるし、後者はご神体たる山をまるまる一つ越える感じなので、登山装備や体力は要らないけど、少々持久力を要する。


  • だいぶ涼しく、いや寒くなってきた。終始コートを着続けたのは、この秋で初だ。
  • 葛城古道のコースはよく整備されている。県や市が設置したものと東海自然歩道として設置されたものを合わせると道標は過剰なほどあり、地図をチラチラ見ずともコースアウトの心配はない。巨勢の道はというと、観光資源としてあまり期待されていないのか道標が少なく、時々コースを見失う。ほぼメインルートたる線路沿いから時々見どころに出たり入ったりする感じとはいえ、道標を幾度となく見落とした。

二度目の葛城古道。これで春と秋を愉しんだ。他のシーズンにも来たいと思った。

*1:巨勢氏にゆかりがある、ならまだわからんでもないけど。