駄目社員はむの日記

USO800 certified.

京大坂道と町石道、まとめてお相手して進ぜよう (3)

町石道を、歩く。目指すは慈尊院


0945、大門を背に、町石道に歩みを進める。いきなり過激な下りが待っている。
#逆ルートで大門を目指す者にとっては、登頂を阻む最後のハードなのぼりなのだ。



幣日記の読者様にはおさらいとなるが、町石道はその名の通り、1町毎に町石が建つ。まさにランドマーク。
梵字でマーキングされ、前面に何町目か、側面には誰がいつ寄進したか等、彫られている。建立時期は江戸時代以降が多いが、読みにくくなった石に古い年代が彫られているものもある。



ちなみに起点となる1町目は、高野山内に位置し、180番目まで数えながら歩けるので安心だ。コースアウトの心配がほぼない。

高野山山頂からの下山コースなので、基本はダウンヒル。だが甘くない。

実際はアップダウンを伴う。正直、町石道の途中で見るところはほとんどない。

しかし杉木立を無心で歩くというエクスペリエンスは間違いなくプライスレス。



今回のトレッキングで危険と感じたのは、コースの足場よりもはるかに「虫」であった。頭の周囲をブヨやらアブやらがぶんぶんホバリング
タオルでほっかむりしたら多少減るが、ひんぱんに顔に向かって突入してくる。しんどい。
#「刺されて顔も腕もボコボコ」とかいやだよ。

黙して、歩き続ける。

いや、実質虫から逃げるべく速足だ。時にタオルをぶん回し、虫を振り払う。
#経験上、アブやハエにはそれなりに意味を持つ。ただし対・蜂では絶対にやっちゃいけない。

矢立茶屋で一瞬車道とクロス。看板が安堵を与える。

1220里山に出てこられた。



更に歩き続ける。

さらに1330、風景がパッと開けた。

ここまで来ればラストスパート。



あとは柿の木の畑を、慈尊院に向かって下山していくのだ。


腕に3カ所は刺されたが、顔はあれだけバチバチ当たってきた割には、どうにか避けられたようだ。



ついに慈尊院の朱塗りの建物が見えてきた。180町目(ラスト)の町石に頭を下げ、道中の無事に感謝する。

1430慈尊院着。

到着。

高野山を後にすると、この慈尊院に至るまで、これぞという見どころもなく、低山をひたすら歩くことになる。途中には淡々と町石があるだけ。まあ地味だけど、楽しいよ。



少し遠回り。紀ノ川の雄大な流れに沿って歩く。道の駅の存在を確認。

1455九度山駅着。

相変わらず真田全力推しの駅に、到着。7時間余りのウォーキングでした。

まとめ: 前回の町石道歩きと逆ルートなら楽かもとちょっと期待したが、さほど楽じゃなかったでござる。

久しぶりに和歌山の道歩きを愉しめた。
このところ奈良シリーズが続いていたけど、熊野古道高野山を擁する和歌山も、もちろん大好きだ。

  • 基本的に迷う要素がほぼ無いほどに、街道としてよく整備された古道(参詣道)である。道中トイレも十分設置されている。今回は地図を一度も見ずに歩けた。
  • 定番の道だけあってトレッキングに訪れる人は多い。その上当日は天候にも恵まれた。僕がすれ違ったトレイルランナーは11人。トレッキングは16人を超えてから数える気が失せた。14時以降には誰とも会わなかったので、無鉄砲な奴はいなかったってことだ。
  • ただコースは変化に富んでいる。腐葉土あり、ぷち岩場あり、鉄分満載のぬかるみあり、砂利あり、杉の根あり。

    • 今回は日照り続きで乾いていたから問題ないが、まとまった雨の翌日だと、ぬかるんでえらい目に遭う。ぬかるみLOVEな方以外は、前日までの天気を考慮することをオススメする。
  • アップダウンは覚悟する必要はあるがムチャクチャではないので、そこそこの硬さのソールで、足首の低いトレッキングシューズで歩き通せるはずだ。
  • 当日は、快晴で日差しが強かった。このルートは常に木漏れ日が降り注ぐ程度で日陰が多い。直射日光直撃が少なく、夏向きともいえる。
    • 天気がいいから「道が明るい」と感じるのだ。雲の分厚い日、あるいは夕方を過ぎてからのウォーキングは、注意が必要。
  • 既出の通り、夏場の宿命ながら、虫が怖かった。虫よけの最低限のケアはしていたが、ほぼ無意味だった模様。*1アブにはぶんぶんホバリングされ、1匹右上腕にしがみつかれて針をうちこまれそうになった。小僧、そこはワクチン打つための場所だ、○すぞ。
  • 持ち込んだ飲み水は、水筒1.5L+野菜ジュース900g 。ちょうどいい量だった。途中、トイレで汲む以外に水場はない。

*1:あれだけ追い回されてほとんど刺されなかったのが奇跡に思える。夏山はそこが嫌だ。とりあえずしばらくウォーキングをやめるか、ないしは虫よけ網をかぶるなど防護の必要がある。