駄目社員はむの日記

USO800 certified.

キミはまだ、本当の山の辺の道を知らない(いや僕も知らない) (1)

まえがき。

  • いわゆる山の辺の道は、三輪山麓である桜井駅(大神神社)から天理駅石上神宮)の間あたりまでのルートははっきりしている一方、以北のルートはどうもあやふやだという話も聞く。大半が不明か、ないしは車道化・住宅地化で失われたという。とはいえ本来、山の辺の道は平城京まで通ずる道なのだ。
  • 前者はかなり行き尽くしたし、見どころ満載で魅力的には違いないが、試しに後者がどんななのか、探険気分で行ってみることにした。
  • 後者のルート、ガイドブックには「北・山の辺の道」「山の辺の道(北部)」などと記載があるが、ひとまずそのルートを特にさす場合は「北・山の辺の道」と記載し、前者は本稿では敢えて「南・山の辺の道」と呼ぶことにする。

近鉄天理駅を後にし、アーケードのかかる天理本通を東進。

大多数の山の辺の道ウォーカーにとって、この町はゴールである。だが今日の僕にとってはスタート地点。
コメントは差し控えるが、すべてが天理教シフトしていて興味深い。後で気づくが、北・山の辺の道はしばらく天理市をめぐることになり、静かな町に点在する天理教や天理系教育機関の関連施設を多く通り過ぎることになる。

0845石上神宮に到着するも、境内は工事中。



無事を祈って賽銭チャリン。そして境内裏手の暗き森を歩きだす。

雨の直後だから仕方ないが、あちこちぬかるんでいる。

ハタの滝を抜け、そしてリアル「山の辺」の道を歩く。

  • あちこち教団関連施設のバックヤードを通り過ぎる。にぎやかな歌曲も鳴っている。
  • 道に噴き出す雨水、茂る笹。ナタと長靴が欲しかったよ。

  • 標識も少なく少しわかりにくい。時々コースアウトする。

  • とはいえ、半ば観光地化している南・山の辺の道に比べるとこちらは、山の中腹のスロープに沿った道=まさに「山の辺」の道を歩いていると実感できる。舗道と一般道、トレッキングコースを行ったり来たり。北上すると、右手(東側)に常に山を背負っている感じ。



10時、白川ダム着。

風景が開ける。

のどかに釣り糸を垂れている老人たちのパラソルが、巨大なダムを囲む。



また山道に入る。そこそこに滑りやすくアップダウンを伴う参道を歩く。
このあたりで、天理市奈良市のボーダーをまたいだようだ。

1045弘仁寺(こうにんじ)着。


山門をくぐると弘仁寺だった。
とっても奈良文化の香りがする本堂のカラーリング。いわゆる極彩色だ。
しかしこれは江戸に再建された本堂らしく、オリジナルは戦国随一のダークヒーロー・松永久秀によって焼かれたという。クソが。

本堂のすぐ左隣に建つ茶屋跡。
きっと古道などに建っていた茶屋はこういう構造していたんだろうなぁ。
(つづく)