駄目社員はむの日記

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踊られされる分析。

分析装置業界・分析業界というのは、社会情勢や経済情勢にものすごく影響されやすいもののようです。実に流行りモノというのに”弱い”。
ただし”弱”くて踊らされて飛びつくのは、装置メーカーではなく、実は買う側だったりします。

研究の流行と分析。

社会情勢による特需ってのもいろいろありますが、やはり研究開発に対する分析がメインだと思います。
こういった場合、種々のメーカーが同じターゲットで研究・開発を始めると、それを評価するためのツールはそんなにメーカー間で変わるわけもないため、全メーカーに入りつくすまでの数年間の間、似たような製品がどこの装置メーカーでも売れ筋になります。ここ5年ぐらいだと燃料電池がらみなんて、まさにそのクチだったんでしょうか。


ただしメーカーの研究投資は経済情勢の影響がでかいわけでして、メーカーの業績が冷え込んでくると、今度は一番に削られる投資も分析装置(特に高価な億単位以上の装置)だったりします。このため、景気の波には引きずられるのですが、景気が上向くと少し後に分析装置業界が上向き、景気が落ち込み始めると急激に業績が落ちたりします*1
たまにはそういう目で、「会社四季報」の分析装置メーカーあたりの項目を眺めてみると、面白いかもしれません。

社会と分析:”風”が吹けば、分析装置メーカーが儲かる。

さて、今度は一般社会とのかかわりでの分析装置という話です。


やはり一般社会の動向によっても、特需は訪れます。
それはたいてい、大学院重点化や内需拡大のような国策・政治的外圧だったり、世間を騒がす事件・事故だったり、国家間紛争・競争だったり、制度改定だったりと、いろんなファクターによって引き起こされます。
風が吹けば桶屋が儲かる。こっちはもっと短期間で、例年売れる台数からしてありえないぐらいに、特定の装置が猛烈に売れたりするわけです。「分析会社(有償で依頼分析を受ける会社)」の方も、そういった装置を用いた分析手法の依頼が一時的に猛烈に来たりするようです。


毎年秋に行われる「分析展」のような分析装置の展示会の類に顔を出してみると、それが毎年ハッキリ出てて面白いです。
「ほほう、今年はBSEかー」「今年の流行はローズ指令ね」「今年はアスベストなわけ?」てな具合で、毎年流行りモノで装置ごとに特需となるテーマが変わるわけですね*2


まあ当面はまず間違いなく、食品検査がらみや微量元素(重金属など)といった、”チャイナリスク分析””偽装表示問題”あたりがメインテーマになるのでしょうか。

*1:これは、半導体関連産業も似たところがあり、いずれも装置の額がでかいと特に顕著のようです。

*2:ちなみにBSEだと近赤外、RoHS指令だとXRF、アスベストだとXRDなどの装置が良く売れてたように思います。