駄目社員はむの日記

USO800 certified.

S9 Generatorを作って、シグナルメーター(Sメーター)に思いをはせる (1)

はじめに:Signal Report 59とは。

アマチュア無線では、交信の際シグナルレポートというレポートを交換する。
R=Readability (了解度)が5段階、S=Signal Strength(信号強度)が9段階だ。強く入感し了解しやすければFine-Nineと相手に送る。電信などの場合は、それにT=Tone(音調)が加わって例えば439、559、599といった具合だ。
シグナルレポートは基本的には聴いた音で答えればいいんだが、Sメーターという信号強度の目安を表示するメーターが無線機についており、それを読みながら送ることが多い。
ご参考:S meter - Wikipedia

Sメーターの指示値と電力。

そのSメーターというのはけっこう各社・無線機ごとにメーカーが好き勝手設定していたのを、1980年代初頭、国際アマチュア無線連合IARU(各国のアマチュア無線連盟が加盟する世界的な組織)が目安を決めたようなのである。それが、S9=50uV(=-73dBm@50ohm)である。
そしてS9からS1つにたいして-6dB(電圧比で1/2、電力比で1/4)減じよという。したがって8メモリ下がったS1が-73dBmから-48dB、0.20uV(-121dBm)だ。
なのでここ40年ほどは、無線機のS9は50uVに調整されていたものが多いと思われるが、その前後、つまりS1-S9の間やS9以上は、メーカーによってずいぶん振れるフィーリングが違うのだ。
もっとも、「基準があるんだよ」というだけで、どれが正しいというわけではない。アマチュア無線は通信が成立しさえすればいいのだ。
ご参考:Signal Level Strength Meter Calibration and IARU Standards


御託が長くて済まないが、そのS9が実際無線機のメーカー差・個体差・経年劣化などにより、実機でどれくらいあるかに興味があった。

S9 Signal Generatorとは。

北カリフォルニアのハムの集まりNorcal QRP Clubが、S9 Signal Generatorというキットを出していた。
ご参考:NorCal QRP Club - S9 Signal Generator
回路は以下の通り、主要なバンドの水晶を切り替えるだけの、シンプルな1石水晶発振回路にATTを付けただけだが、マニュアル曰く、S9=50uV, S1=1uVを出力してくれるという。え、S1=1uVなの??謎は深まる。


Cited from Assembly Manual


このキットは既に頒布を終了しているが、簡単な回路なので、ちょちょっと作り、実用性のほどを検証してみることにした。
(つづく)