まえがき:1年ぶりの熊野なのである。
昨年3月ここに来て、直後ぐらいにブラタモリの那智編が放送された。
見慣れた風景が丁寧に解説されるのがとても楽しかった。
今日も3月の紀伊半島らしい青空。今日をおいてKUMANO TREKの日はないと思ったのだ。
那智駅から、那智山へ向かう。
これはソーシャルディスタンス取れすぎですよ。
那智駅~那智山の間も一応熊野古道(中辺路)である。
熊野古道を「らしいところだけなるべく」歩く。曼荼羅の道コースはちょっとだけ”らしい”。
本格的に熊野古道を歩くのは半日の滞在では無理だが、那智山までの道のりには部分的に杉木立が並んでおり、古道歩きをしている気分を味わえる。
大門坂でエネルギー切れ。
1410大門坂に達す。
平日とはいえ、おどろきのガラガラ。
ここから延々登りだ。
一期一会。
坂に入ってすぐ。
- 静かに座っている品のよいおじいさんに「今日は静かなんですね」と声をかける。と、その方は、「南方熊楠が熊野で粘菌を研究していた頃に逗留した宿」を受け継ぐ御当主様だった。
- まあ折角だからみていきんしゃい、といわれ、恐縮しながら庭にご案内いただいたら、そこは静かで美しい日本庭園だった。写真を取るのは憚られた。
- おじいさんによると、熊楠は研究を始めるにあたり、うるさい場所を避けてその宿を選んだのだという。「静かな自然の中じゃないと新しいことは始められんちゅうことや」というおじいさんの言葉は正しいと思う。
ことの真偽云々はさておき、じいちゃんがさらさらと披露する持ちネタというのはたいてい興味深いものだ。時間があるなら聞いた方がお得だ。
多少の脚色はご愛嬌。何度もリピート説明してきているお話なので、枝葉末節は削ぎ落とされエッセンスがコンパクトにまとめられている。
登り坂の途中
「江戸時代に整備された時に敷き詰められた砂岩」(ブラタモリで覚えた)の階段を登る。
途中、オーバーヒートを起こし、動けなくなる。ウィンドブレーカーを脱ぎ、水分と豆パンを補給。15分ほど何もせず休む。
日頃から毎日通勤で長めに歩いてはいても、体力なくなったな僕。
那智山登頂。
1440目的地到着。
桜のシーズンが始まっていた。インスタ蝿ブンブン。
那智の大滝と三重の塔に枝垂れ桜って、盛り過ぎでしょう。跳満っすよ。快晴な上に冷涼で、もちろんここも空いている。ケチのつけようが何一つない。
山の先にすぐに海が迫ってきているのが熊野らしい風景。
青岸渡寺と熊野那智大社。そして本日の目的を達成。
- 青岸渡寺は言わずと知れた、西国三十三所第一番礼所。
- 拝んだ後、青岸渡寺の「延命の水 清浄水」をダクダクのみ、1.5L頂いていく。那智の大滝から取水しており素晴らしい味なのだ。これこそが今日の目的「水を飲む」。
- 那智大社は改築が終わり...ちょっと雰囲気がなくなった。まあ明治に建てられたらしいしな。