駄目社員はむの日記

USO800 certified.

賢い犯罪者ほど怖いものはない、という話。

科学技術関連予算の事業仕分けが最終的にどの程度実行に移されるのかは不明だが、まあペタコンあたりを落し所にして、結局激減のまま政治決着で終息するのかもしれない。


COEプログラムとかが切られるとなると、当然のことながらポスドクがざくざく斬られたりするわけで、来年度から高学歴ワープアが増えるんだろう。
けどまあ、労働者人口全体からすると極めて微々たる割合である。

ただ、『下野するインテリが増えることのリスク』を考えたことがあるのだろうか。

ともすると彼らがテロ組織に雇われ、犯罪に加担する可能性があるよ。
90年代半ばのオウムの乱のときは、『ココロのスキマを埋められて心酔しちゃった研究者』がテロに喜んで加担してしまった。けど、今度は『国に捨てられて、食ってくためにテロ組織に技術を提供する研究者』が出現する、なんて三文小説にもならない話になっても全然おかしく無いと思う。*1
参考?:ピペット土方 - アンサイクロペディア

一方中国では、モラルが低下した原因となった、のかもしれない

僕の友人の中国人の大学教授*2によると、中国の論文にインチキが多いのは、『民族性+世代交代が進まずポストがないから』らしい。
文化大革命でインテリゲンツィアがいったん一掃されてしまった後、共産党に恭順した若い教授がたくさん誕生したそうだ。だから、年を取った教授が少なく、若いうちからフルプロフェッサーの肩書きを持っている人が居座ることになる。世代交代がなかなか起こらないし、ポストが次の世代にたくさん用意されるわけではない。
さらには、欧米・日本などでDをとってきた海外組が帰国していいポストをふんだくって行く。


そこで何が起こるかというと、少ないポストの取り合い。
人より実力以上に秀でるための一つの手段は、”センセーショナル”な論文を書くこと、らしい。それが横行した結果が、中国のインチキ論文問題に繋がっているというのである。実際は原因がそれだけかどうかわからないが、妙に説得力ある話ではある。
日本のアカデミックでも近年、毎年のようにインチキ論文の問題が取り沙汰されている*3が、これからどうなるやら。

*1:『雨後の筍』って、雨は降ってるしさ。ヘタすりゃ国への怨み付きだよ?

*2:H大でM, D, PDと過ごして中国に帰って行きました

*3:マスコミ経由で騒ぎになるのが増えただけであって、昔はインチキ論文が無かったというわけではない。ちょくちょく『鉛筆をなめる○○先生』のような話はささやかれ続けてきた。