「SSBハンドブック」はアマチュア無線界における古典の名著、シングルサイドバンド関連技術における定本の中の定本である。CQ出版社編刊、昭和44年初版発行。たしか、昭和50年代までは重版が発行されていたと記憶している。
収載された技術内容は、主に真空管*1を用いたSSBの変復調・増幅・測定等。
当時無線界を代表し技術の最先端を走っていた執筆陣が、軽妙な語り口で膨大な技術・ノウハウを丁寧に教えてくれる。1960年代末時点の日本における無線機器関連技術の集大成と言ってもいい。
その後日の丸半導体全盛期を経て、更に送受信機の集積化・表面実装化が劇的に進んだ現代にこの本を読んでも、学べることは少なくない。
なにしろ、現代の雑誌製作記事やWebの自作ネタにおいても、この約50年前の著書が「SSBハンドブックによると云々」などとリファーされるのである。オソルベシ不朽の名著。レジェンドすぎる。
#そしてニューカマーがおいてけぼりを食らうことになる。
どうやら、少なくとも3バージョンはあるらしい。
僕はコレクターではないのでどうでもいいことなのだが、一説によるとSSBハンドブックには「初版」(650円)「黒ハン」(2-3版?;650円)「青ハン」(4版以降?;650円→950円)があるという。
- 何れもB5判・並製本。細部までは確認していないが、本文の中身・ページ数(全374ページ)は3バージョンとも概ね同じである模様。
- 図書館や古本でよく見かけるのは、最も版を重ねた「青ハン」であり、紺色の表紙が特徴。
- 黒ハンは青ハンとほぼ中身が同じと推定されるが、表紙デザインが異なり(黒い)、あと実物を比べていないが、黒ハンの方が紙質が悪いような。
ちなみに初版だけ、以降の版とは多少異なる。
- 「CQ ham radio別冊」として刊行。表紙がリグの内部写真。目次がカラー。
- 前付の「SSB機紹介」は海外機種のみ紹介されているが、一部のフィーチャーされた機種には詳説付き。(⇔黒ハン以降は後半に国内機種の紹介が追加されています)
- 奥付の後、後付として広告+クイズ(!)のページがある(⇔黒ハン以降は奥付で終わり)
主にはそんなところ。
ということで、もし初版を手に取る機会があったら、是非クイズ部分を読んで頂きたい。
#なんとなんと、豪華景品付きですぞ?
蒐集を勧めているわけではない。
ただ、「展示用」「保存用」「見せびらかす用」「布教用」「普段読み用(無線室)」「普段読み用(寝室)」の6冊は最低必要だと言っているだけだ。
・・・というのは半分冗談としても、1冊持ってて損はない。