ケチャはかつての宗主国だけあって、ケチャ人はとても歓迎されていた。
しかし僕のパスポートを見るなり、入国審査官の眉間にはしわが寄る。
氏は脂ぎった褐色の顔をくしゃくしゃにして「何しに来た！」「日本円はいくら所持している！」「いったい何時間いるつもりだ！」「だるまとぐんまちゃん、貴様はどちらを買う気だ！」などと息つく暇もなく僕を詰問する。
この国において日本人が全く歓迎されていないことを、改めて痛感。
ケチャ人が「悪い、俺の同僚だからさ」ととりなしてくれて、どうにか別室行きは免れた。
乱暴に押された入国スタンプを一瞥。ぐんまちゃんの表情が般若に見えた。
