駄目社員はむの日記

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時に、1889年。

(きのうのつづき)
そのころ、化学の歴史に名を残した物理化学の巨人たちは、ファントホッフ(オランダ人)36歳、オストワルト(ドイツ人)35歳、ネルンスト(ドイツ人)25歳、当のアレニウス(スウェーデン人)30歳という若さだったのである*1
その更に4年前、ファントホッフは著書「化学動力学の研究」を完成させている。つまりファントホッフ32歳のころである。物理化学の萌芽が反応速度論であるという立場に立つなら、解析的な反応速度論が体系化されはじめた19世紀末をその基点とすることはあながち間違いでもないと思われる。


余談ではあるが、かの「化学動力学の研究」のオリジナルは大阪府内で閲覧することができる。大阪府立図書館(東大阪市)である。
物理化学のハシクレに生かしてもらっている僕も、一度原典を拝んでみたいものだ。
(もうちょっとだけ、つづく)

*1:慶伊富長他著「活性化エネルギー」(共立出版)より。