シンジューク通過。
蛮族の侵入を許す西方の国境線へと向かう。
生命・貞操の危機と定常的に戦うことが求められるグンマー・ミッションに比べれば、リスクははるかに小さい。
しかしピックポケッツやナイフ強盗程度は十分ありうる地である。ヨーロッパの大都市スラムレベル以上のセキュリティ意識は必須。
バッグはガッチリ握り、パスポートと財布はスーツの最奧部に忍ばせ脇を締める。
パリのRER B線を想起させる電車内の汚い落書きが僕を不安にさせる。
この不可解な文様がもしやサイタマー語なのだろうか。
どこの語族にも属さない未解読の言語らしい。